バリ島での交通事故

海外での運転は大変危険ですが、車が無いと全く仕事にならないのは、米国でしょう。ニューヨークやサンフランシスコはいいとしても、普通の都市ではタクシーもつかまりません!勿論住むとなれば一人一台は当然です。
●バリ島での交通事故 2015/02/12

もう十年以上前のことだが、バリ島で事故を起こしたことがある。ちょっと停止線を前に出すぎたと思ってバックしたとたんに後ろに止まっていたバイクにドンと当たったのだ。"アーやってしまった!大変だ"と思いながら、運転席を飛び出し後ろに行ったのだが、当たられたバイクの若い男はニコニコして大丈夫だから行け行けと言っているようだった。そうは言っても当たったのだから、恐らく前輪軸は歪むだろうし、フェンダーも傷ついている。なぜだか分からないが、その周りにいたバイクに乗っていた連中も、ニコニコしていたので何度も頭を下げて信号が変わると同時に過ぎ去ったが、思い返しても不思議な経験だった。

過去に四度バリ島に行ったが、私はインドネシア語が分からないので上記の話は、あの場の雰囲気でしかない。もし日本だったらこうはいかないだろう。最低限、警察に連絡し事故証明だけは取らないといけない。その後、バリ島で何度か悲惨な事故の現場に遭遇したことがあるが、その時のインドネシア人運転手の話だと「5万円(当時の日本円換算で)を持参してお悔やみにいく」とのことだった。我々の価値観と比べると、命の値段は安いのだ!ヒンズーの教えでは"死"すなわちあの世に行くことは"運命"であり誰もそれを変えることはできず、魂の単なる通過点と定義しているようだ。実際にバリで知り合った人のお爺さんの葬式に出たことがあるが、村中の人が集まり葬式というよりまるでお祭りだった。その村で同じ時期に亡くなった二人の人の合同葬儀だった。死んだからと言っても、加害者から莫大な慰謝料を取るというのは少なくともヒンズーの教えには無いようだ。但し、私のこの経験は、過失での慰謝料であって、暴走や意図的な殺人などについては分からない。

海外での交通事故は、加害者になると大変なことになる。私は30年以上前だがハワイで半年程暮らしたことがあり、車を買って保険に入った。半年の保険料は当時のレートで2万円くらいだった。保険会社のエージェント事務所(弁護士事務所だったと思う)に行って、最高の補償がある保険に入りたいと言ったところ、中年男性弁護士は「貴方は若いし、米国での運転実績も無い。従って最低レベルの保険にしか入れない」と言われた!その時の彼の説明だと、「ついこの前も日本から来た観光客が逆方向に交差点に突入し悲惨な事故があった。このような日本人旅行者による大事故が数年毎にある。」とのことだった。その時の弁護士の諭すような"事故に気をつけろ"という言葉は今でも思い出す。なにしろ、運転ルールが左右逆だからちょっと油断すると高速道路の逆走と同様の事故となる。その後、出張などで海外で数万キロを走ったが、運良く事故が無かった。但し、交差点で対抗車線に入り込みそうになり、対抗車線の運転手の卒倒しそうな顔つきを何度か見たことがある。思い返すと冷や汗が出る!

インドネシアの話に戻るが私のつたない経験では、インドネシアに行く前に覚えておくべき言葉は、テレマカシ(ありがとう)、ナシゴレン(焼き飯)、ミーゴレン(焼きソバ)の三つでよい、デンパサール空港のイミグレーションでテレマカシ・ナシゴレン・ミーゴレンと言ったら、空港監察官はニタっと笑ってフリーパスだった!大昔のことでよく覚えてないが、インドネシア語は喋れるかと聞かれたのだろう。勿論入国時の最低限の宣言はしたけれど。インドネシアでは日本人の真面目そうなオジサンは、好感度が高いようだ。但し、私の個人的経験であり、皆様が同様のことをしても何の保証もない。この歳になると思うが、健康な高齢者の数年間の海外での生活経験は、冥土の土産としてよい想い出になるかも知れない。私の経験では、バリ島がお勧めだ。庭付きの一戸建てにメイドを二人雇っても食費込みの全経費は月20万円以内で済み、結構日本語も通じ、気候は雨季に少々湿度が高い(*)程度でハワイと似ているからだ!
 *:私はエアコンが嫌いでできる限り使わない。バリの雨季に一ヶ月滞在したことがあるが、風通しのよい部屋だったので寝苦しい夜は皆無だった。バリアン村というところの一泊朝食付800円の部屋で、勿論エアコンは無かったが、シャワーと水洗トイレは完備していた。
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