免許更新時の講習会で聞いたこと

忘れたころにやってくる免許更新、果たして善良な市民に課せられる役務としてやりすぎではないでしょうか?国家として無駄な経費を使っていると思います。

せめて、先進諸外国並みにできないかと考え込んでしまいます。
●免許更新時の講習会で聞いたこと 2012/09/19

齢64の誕生日に近づき十数回目の免許更新となった。この講習会で聞いたことは、エッ!とかホー!とか思うことがあったのでメモっておく。交通戦争と言われていた頃、交通事故死は年間3万人で日清戦争の頃の戦死者数レベルだと揶揄されていた。だから"戦争"という用語が用いられていたのだろう。ところが、今日の講習会では、死者の数は年間4500人くらいだという。一桁少なくなっているのだ。興味を持って説明を聞いたが、原因は交通に関するマナーや経験が熟成されてきたからだそうだ。米国ではヘンリーフォード氏が自動車の大量生産方式を確立したことや、ガソリンが自国内で採掘生産され安かったことで戦前から一般労働者にも自家用車が行き渡ったが、日本では昭和40年代の高度成長と軽自動車の普及が庶民の運転免許証取得を促進したのだろう。

この講習で私の注意を引いたのが神奈川県内の交通事故死者で、道路に寝ていてひき殺される事故がしばしばあるそうだ。時間帯は8時から10時くらいで、犠牲者は酔っ払い氏である。そもそも道路に寝ている泥酔氏は事故時に車の下に潜り込んでしまうので身体がずたずたになり即死の場合が多いとのことだ。とにかく運転時は路面を良く見て走らないと加害者になってしまうとのこと。こんなところにというところに人が寝ているのだから、ハッと気付いた時にはもうアウトだ。もちろんこういう事故を起こしても運転者には相応のペナルティーが科される。つまり、運転時には一瞬たりとも気を抜けないし、万一の際の備えは不可欠ということだ。それは保険しかない。およそ長い人生に全く過ちを犯したことのない人はあり得ないし、それに対する備えは現代人のパスポート、つまり保険が必需だ。私は若い頃に深夜の246号線の信号の無い横断歩道で酔っ払った人を撥ねたことがあり、それ以来ずっと恐怖心を持ちながら運転している。幸いにしてそれ以降大事故は起こしてないが、いつも冷や汗をかきながら運転している。あの辛い思い出を頭の片隅に置きながら!

講師は、神奈川県二俣川の講習会場に年間60万人が来訪すると言っていた。私の想像をはるかに超える大勢の人が来ているのだ。これだけ大勢の人が来るのだから、一大ビジネスである。試験場近くで必要な事務書類を代行して記述してくれる代行屋や、写真撮影所や、車で来るひとのための駐車場など取り巻きビジネスは繁盛している。もちろん飲食店も繁盛しているのだが、それは駅近に集中している。ビジネスを考えれば60万人という顧客の動線とニーズを考えてさらにチャンスがありそうだ。資金的余裕が出来れば、あらためてここでのビジネスを考えてみたい。

最後に、若い人達が交通ルールなどに順応していることに言及したい。今の若い人達は生まれたときから車に乗せられていて、危ないことを幼児の頃から経験している。つまり米国レベルの乗車経験が身についているとの講師の見解である。逆に言うと、国家レベルで発展期にある中国の交通事情は非常に危ないということが理解できよう。十年くらい前家族でシンガポールに行ったが、横断歩道でひき殺されそうになり驚いた。かの国では、まだ歩行者よりも車が偉いのだ。さらに事故が減っているもうひとつの理由は、オートマチック変速だという。つまり運転技術の簡易化が事故減少に寄与しているとのことだ。当然であろう。講習会で聞いた最近の事故関連の数値を挙げておくが、神奈川県では、110件/day事故, 119人/day怪我とのこと。皆さんくれぐれも安全運転で!
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