私のワインヒストリー

私とワインの経歴を記述しました。世界には様々な酒がありますが、ワインはぶどうの産地から発生したものでしょう。詳細は別の書に譲るとして、このエッセーは、単に私の経験を記載したものです。

●私のワインヒストリー

ソルビン酸、ジアチル酸、亜硫酸塩、何故だか分からないがこれらの酸化防止剤が入っていると飲んだ瞬間に鉛筆の芯を舐めたように感じる。私にはこの感覚がワインを不味くしている。さらに翌朝の二日酔い感が不愉快だ。この不都合が無い人は、酸化防止剤入りでも全く問題ない。ちなみに、家内もこの感覚がワインを遠ざけていたと言っている。無添加のアルプスワインを飲みだしてから、ワインのおいしさを初めて知ったそうだ。たまたま私と同じ感覚を持っていたようだ。ところが最近は、酸化防止剤無添加という宣伝文句の格安ワインも出回るようになり懐具合が気になる私には大変嬉しいことだ。そこで格安ワインをすべて飲み比べてみた。殆ど毎日のように何度も同じ品種を飲んだ結果を記述した。

酸化防止剤というのは大変有効な薬剤で、ワインを醗酵させる酵母を殺さないようにする効果があるようだ(私は素人であり、その科学的根拠は理解できず、効果等云々は私見にすぎないが!)。勿論、醗酵が止まったワインは死亡したワインである。つまり酵母が死滅した状態だから、おいしいかろうはずが無い。温度管理の悪いスーパーで売れ残りのワインを買うと、「これは、なんだ〜!」となって、二度と買わない銘柄になる。筆者もこの呪縛から解かれるまでにかなりの無駄金を使ってしまった。重要なことは、このタイプの格安ワインは製造され店頭に並んでから間の無いものを買うこと。若しくはワインの陳列場所が冷温かつ常温に保たれていることだ。つまりワインの管理をきちんとやっている店で買うことは必需である。なお格安ワインには、製造日が明にわかるような記載がされているものが殆ど無い。その多くは略号で記載されおり素人にはパッと分からない。一方、殆どの日本酒では明に記載されているので安心なのだが!素人ソムリエの私として、ワインメーカに求めることは、もし品質に自信があるならきちんと製造日、工場出荷日などを暗号略号でなく素人にも分かるよう記載して欲しい。

酸化防止剤がどのように有効なのかは分からないが、スーパーでお目にかかる外国産のワインは例外なくこの薬剤が入っている。これ無くして、ヨーロッパや南米からワインを持って来られないらしい。つまり高温の赤道地帯を通過するからだ。友人の木村君の高説によると、その昔ヨーロッパからアフリカやアジアに持ち込まれたワインは赤道通過時に高温にさらされ、例外なく腐り美味くなかったそうだ。しかしどうしても美味しいワインを飲みたい植民地の支配層だったヨーロッパ人は、ぶどうの苗を南米、アフリカ、アジアに植え、自ら美味しいワインを造り飲んだとのこと。それが今や、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポールでは自前の美味しいワインが楽しめる。それも多くが戦前からのブランドで、勿論そのブランドはヨーロッパ人が作ったのだ。おそらくタイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアなど未だ行ったことの無い旧植民地には独自のブランドがあるのではないだろうか?暇を見つけて東南アジアワイン探訪の旅をしたい。しかし今や暇も金もないが!

ワインには、一本350円から数十万円(数百万円も?)のものがある。私も一本数万円のワインをグラスに一杯そして控えめにお代わり一度というパターンで何度か飲んだことがある。本当はボトル一本分飲んでみたかったが、そのような席でもしワインの前に座って次から次にお代わりをすると顰蹙を買うだけでなく友人も信用も失ってしまうからだ。さて、私に"ワインの味が分かるか"ということだが、正直言って分からない。ワインが腐っているかどうかは分かるが、それを指摘できる人は多いだろう。私自身の好みに合っているとか、自分なりに美味しいということは明に言えるが、そのワインが一本数万円するかどうかは分からない。つまり皆様にお伝えしたいこととして、以下の飲み比べはきわめて個人的な見解であり、公的機関に認定された実力と経験のあるソムリエの意見でないことをくどめに叫んでおく。最後に、自称ソムリエの私からの耳寄りな情報として、国際線ビジネスクラスのワインはかなりの高級品だ。チャンスがあれば試すべきである。海外出張の機中では早々にバドワイザー2缶をかっ喰らって寝てしまうのが通常のパターンだったが、あるときそれに気づいて存分に御賞味させていただいてから寝るようにした。規則上ボトルを乗客に預けることのできないスチュアーデスには迷惑だったかも。ただ、いつも同じ航空会社だったから私のデータがきちんとログされていたようで、乗機すると間髪をおかず赤ワインが大きいワイングラスになみなみと注がれた。なお、私は酔っ払って機中で吐いたり騒いだりしたことは全くない。航空会社にとっては年に数回正規料金でおとなしくビジネスクラスに乗ってくれる良い客だったと思う。退職してからはビジネスクラスに乗れることが無くなり、遠い思い出になってしまった。
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