事務所の電波雑音騒動

電波障害は、我が社のビジネスには致命傷ともなりかねず悩んでいましたがハッピーエンドを迎えました。大勢の方々、組織にはお世話になり本当に感謝しています。
●事務所の電波雑音騒動 2011/02/06

この事務所を手に入れたとき、ここは高周波ノイズがひどく中波と短波のラジオはほとんど聞き取れない状態だった。ノイズを遮断しなければ業務の一部でもある無線機は使えない。顧客である漁師が使っている漁業無線(27MHz)の受信にもノイズは容赦なく入った。この状況では仕事に支障をきたすので、ノイズ源の探知に着手した。

・第一回目調査

事務所の目の前にある電柱の下が最もノイズが多いことから、まず四国電力に連絡した。すると下請けのリーダらしき人が現れ、車のラジオでノイズを確認していた。「ラジオは聞こえますね」というので、「ノイズが多いだろう!」というと納得した。明らかに電柱に近づくとザーッという音は大きいのだから。後日、調査に来るということで帰っていった。

・第二回目調査

数日後四国電力の社員らしき一人と、下請けらしき二人がクレーン付きの作業車で現れ、完全防備した二人が電動クレーンを操縦して電柱にかかる電線の高さまで上昇し電線を揺すった。それでノイズが変わるならば碍子などのひび割れや汚れが関与しているだろうということである。かなり原始的ではあるが、そのレベルの調査しかしなかった。残念ながら、それによりノイズが上下するなどの変化はなかった。彼らは、とりあえず分かりません。NHKに相談してみてくれとのことだった。そもそもノイズ計や受信機を全く持たず。作業用トラックで電線を揺すってみるだけとは夢にも思わなかった。電気工事完了時の接触不良や漏電などによるノイズチェックなどは計測器を使うことはやってないようだ。NHKに調査依頼してみるとの私の話で帰ってもらった。

・第三回目調査

NHKでは、「テレビ・衛生放送の受信に関するご相談窓口 0570-00-3434(IP電話の場合、050-3786-5006)」が、この種のクレーム窓口である。NHK高松より担当者M氏がアンテナのついたワンボックス車で現れた。運転手は別にいたが、なぜか一言も口をきかなかった。上司なのか単に運転手なのか?結果は、以下のように診断カルテに記載された。

  2012年2月6日10時30分〜11時40分、NTT柱北町(五)1.L1
  (電力チュウオウ33N3E6)にて、訪問時、相談いただいたとおりの
  雑音を確認しました。ご相談の建物とお近くのお堂の電気の
  ブレーカーを落としていただきましたが、雑音はなくなりませんでした。
  また、事前に電力様にご相談いただき、柱の電力設備の点検は
  問題ないという事ですので、NTT様に設備の点検をご相談下さい。

・第四回目調査

上記作業の当日午後、NTTに連絡した。お客様センター(0120-019000大阪)に連絡すると香川県の担当(0120-444-113)を紹介されたが、電気の専門家でない女性で話の意味が通じなかった。彼女の主張は、NTTは電話商売なので電波は関係ない、つまり電話にノイズが入るのでないと対処しないとのこと。とりあえず、それでは埒が明かないので技術者に代わってくれと依頼。別途折り返し電話とのことで、N氏から連絡があり、状況を説明した。該当のNTTの機器(電線にぶら下がった巻き厨子のような装置らしきもの)はノイズを出すようなことは無く、逆に外からのノイズを遮蔽するためにシールドしているとのことで、恐らくノイズ源はNTTの機器でないだろうとのことだった。私としてはNTTでは無いというお墨付きが欲しいとのことを伝え、電柱番号などを知らせたので、別途返事が来る予定となった。

2月7日午後3時半頃、携帯にNTTのN氏から電話があった。事務所前の該当する電信柱のところで雑音チェックをしていて、私に話したいことがあるとのこと。現場に行ってみると、軽ワンボックスで運転手と一緒にN氏がいた。手のひらに入るくらいの小さいトランジスタラジオを手に、雑音が出ていますねとのこと。確かに件の電柱が最も強い雑音を出しているようだとのことだったが、漁協の冷凍機も雑音を出したりすることがあるというので、漁協の冷凍機の方に歩かせると雑音が減少した。漁協の犯人説は、消えた。過日NHKのエンジニアがスペアナのようなものを持ってきて、縦横に歩いて雑音の電界強度を調べたが、件の電信柱の下が最も強いという結論だったということを話すと納得した。

則包氏によると、NTTの装置は能動素子(いわゆる増幅器)を使ってなく、ただ分岐接続だけなのでノイズを外部に出すことは無いとのこと。私も電気の専門家なので、それならばノイズをだすことが無いことは理解できる。もしそれならばだけど!そうこう話しているうちに、電信柱についていてNTTの装置から電信柱の真下に埋め込まれたアース線に件のラジオを近づけるとノイズレベルがグンとアップした。彼もアレッという顔をしていたが、私は見て見ぬふりをしていた。いずれにせよ、N氏はNTTには関係ありませんという慇懃無礼な態度を全く見せず、とにかく原因を究明したいということだった。

NHKの調査レポートがあると言うと、ぜひ見せてほしいとのこと。それで車で数分の実家まで彼を招き、レポートのコピーを渡した。この家にはコピーは無いのだが、N氏は目ざとく多機能電話機を見つけて、これでコピーできませんかとのこと。やってみたら見事にコピーできた。実はPCにキャノンのスキャナーとプリンタが繋がっているのでコピーができるのだが、普段やらない操作はパッとできるものでない。とりあえずコピーを持ちN氏は帰還した。後日今後の調査について連絡するとのこと。楽しみ。

・第五回目調査

NTTのN氏から電話があり、本社からエンジニアが来るとのこと。立会いできないがよろしくと言っておいた。

3月1日、N氏から電源を三分くらい切っていいかとの連絡があり、了解した。その後、当日の都合がつき、現場に行き立ち会った。本社から来たエンジニアも前回の調査同様電源を切ったり、目視にて確認したりしていたがしばらく硬直状態だった。ところが、なんとこの電信柱に隣接するお堂の電源を切っているのに内部のマメ電球が点灯したままになっていることにN氏が気づき、その電球(ろうそくの形をしたネオン球)がノイズ源だったのだ。ネオン管がノイズを出すことは電気系エンジニアなら常識だが、そこにネオン管が使われていることは誰も知らなかったし、別回路で電源供給されていることも誰も予測できなかった。このような配線をいったい誰がやったのだろうか?

結論として、原因はお堂で使われていた強いノイズを出すネオン管であり。これを止めるようにお堂の管理者にお願いした。お堂の管理者はたまたま知り合いで、納得してもらえたが、これが赤の他人だった場合は相当困難な状況が予測される。周囲の方々と仲良くしていたことが吉と出たのである。いずれにせよビジネスでは争いごとを避けることが肝要である。ただ、どうして引込み線があのような配線になっているのか未だに疑問ではあるが!
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