小学生にプログラミング教育必修化?
義務教育は全ての人に課された重要な義務ですが、このような施策は子供たちの成長を阻害するでしょう。分別に欠けるお役人さんの愚策が子供たちを混乱におとし入れることのないよう切に望みます。
追記:2016/6/27
この番組は小学生にプログラム教育が必要か?という切り口ではありませんでした。今後そのような番組が出てくるかも知れませんね。今のところ教育評論家の論評はありませんが?
追記:2016/7/17
多くの議論がなされて、見直しとなることを私は望んでいます。ただ、文科省やパソコン業者やソフトウェア作成を生業とする人には困るでしょうね?それとも私もプログラム作りを仕事とした経験から雇用してもらえるのでしょうか?
追記:2016/7/24
様々な予測による曖昧な数値が出現し、いつの間にか予算が策定され、税金が無駄遣いされ、そして私が最も懸念する子供たちの基礎教育に対する障碍が心配です。
追記:2016/8/2
小学校の英語教育とプログラミング教育は既定路線のようですね。基礎教育を充実して欲しいのですが。国語が不完全のまま英語を教えますか?算数が分からないのにプログラミングを教えますか?
●小学生にプログラミング教育必修化? 2016/6/19
日経社説では、文部科学省が小学校でプログラミング教育を2020年に必修化することに異を唱えている。小学生にプログラミングを教えることが必要かとの論調だが、プログラミングが仕事だった私もそのとおりだと思う。小学生には昔から言われる「読み・書き・ソロバン」という基礎が重要だろう。ソロバンとは算数で、すなわち算数を学ぶことで論理的な考え方を身につけることができるからだ。
社説の中に「オバマ大統領がコンピューター教育を充実する計画を今年初めに発表した」とある。すると文科省のお役人さんがこれに過剰反応していきなり「プログラミングを小学生に」となったのだろう。おそらくこれを決めた当のお役人さんは御自身で何かのプログラムを書いたことは一度もないだろう。なぜならプログラムを生業にしている人ならば、自分の子供にプログラムを教えるよりも算数を教えるだろうからだ。
一方、プログラミングと自動車の運転を同列に扱うには少々無理があるかもしれないが、自家用車普及期にこれからはモータリゼーションの時代だといって、義務教育で車の運転を教えたことはないはずだ。小学生にプログラミングを教えることは、このレベルの教育に関する勘違いであり、絶対に避けるべきである。もう一つの見方として、昨今の飽和したパソコン市場の在庫パソコンを全国の小学校に販売したいというメーカーに操られた役人の画策という下衆の勘繰りはどうだ。
社説では、あわてて実施しないで中央教育審議会などで議論を重ねて欲しいとある。現在小学校では英語教育を実施しているが、その効果の査定はどうなっているのだろう?ゆとり教育の問題が表面化し揺り戻しがあったが、このまま新たにプログラミング教育となれば、ゆとり教育同様の末路をたどることは間違いない。結局は税の無駄遣いとなり、当の小学生には基礎教育の妨げとなるのだ。いずれにせよ、検討・決断を託された役人や委員は、自分の子供や孫に何を学んで欲しいかというスタンスで決めるべきである。
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追記:テレビ東京の特集 2016/6/27
小学校でのプログラミング教育必修化について、テレビ東京のワールドビジネスサテライトで特集しており、マスコミがどのようにこの問題を捉えているかを興味深く見た。教材や講師など課題山積との論調の中、キャスターがプログラミング体験として画面を移動する虫(だったか?)が壁にぶち当たるが、ソースコード(プログラム)をちょこっと変えると壁を突き抜けることを見せていた。おじさんやおばさんにこれがプログラムミングと理解せよというには少々無理があろうが、さて小学生にプログラムをどう教える?
私がプログラムを本格的に学習したのは会社に入って二年目(*)だったが、まず二進法と八進法の違いからスタートした。なぜならその時仕事で使った米国製ミニコンのアセンブラ(機械言語)は8進法でコーディングするシステムだったからだ!勿論、コンピュータやプログラミングというと二進法の理解が欠かせない。なぜなら電子回路上では全て2進法で処理されるからだ。たしか義務教育では2進法を教えてなく、算数のカリキュラムが変更されるだろう。いずれにせよ文科省の決定は現場では大変な騒ぎになっているハズだ。教員養成課程においてもプログラミングが必須となることは間違いない。全ての生徒は知っているがほとんどの先生は知らないことになるからだ。
*:実は入社初年度に人工衛星の軌道計算のためFORTRANというプログラミング言語を使ったが、表層的な学習にすぎなかった。私が書いたその数百ステップのプログラムは地球の重力摂動を補正するものだが、その後何の変更もなく20年以上気象衛星ひまわりの軌道管制に使われ続けた。今考えても冷や汗ものである!
追記:日曜に考えるから 2016/7/17
今朝の日経には、国立情報学研究所教授の新井紀子氏CANVAS理事長の石戸奈々子氏がプログラミング教育は小学生に必要かということで意見を述べている。新井氏は不要で石戸氏は必要との意見である。
新井氏の考え方は私と同様で読解力すなわち文章をきちんと理解できることが重要と基礎教育の重要性を述べている。
石戸氏は東大工学部を出てMITのメディアラボ客員研究員という経歴、CANVASという子供向けの教育イベントを主催している。このウエブサイトをざっと見渡したところ、プログラミングに特化したものでなく最新のイベントは"牛乳パックで風車貯金箱を作ろう!夏休みの自由研究に大阪・難波で開催"というものだ。小学生向けの理系イベントを主催しているようだ。さて、石戸氏の意見は「プログラミング教育がすべての人にとって重要な教育問題として語られるようになっている」に始まりスマホなどの「ネットにつながる端末をきちんと使いこなすリテラシー教育が大事だ。」とのこと。この意見にはSNS、IOT、AI、ICTとそこを歩くおじさんに聞いても答えられないような用語が出現することに初等教育への適用に無理があると思う。
追記:プログラミング、大人も熱より 2016/7/24
日経"日曜に考える"には、IT人材が不足という切り口で営業マンにもグラミング教育が必要との論調。私が富士通に入社した時、約600人の新入社員は一日レベルのプログラミング教育を受けたような気がする。会社側は総務や営業などに配属される人にもプログムとはどういうものかと、その概要を教えたかったのだろう。なぜなら富士通はそれを生業としているからだ。現在の富士通の新入社員教育の実態は知らないが、基礎的なプログラミング教育は小学校でなくせいぜい特定の会社の新入社員教育で十分というのが私の意見だ。この記事には経済産業省による将来のIT人材予測として現時点で20万人、2030年には少なくとも41万人不足とある。将来のことは単に予想だが、現時点で20万人不足という数値はいったい何から算出されたのだろうか?
追記:国際化対応 学び新たに 2016/8/2
今朝の日経は上記タイトルで小中学校の学習指導要領の改定案について詳細に述べている。数面に渡る記事の散逸は、他に記事が無く適当に間延びさせたか?さて、私が問題だと思う英語教育とICT(情報通信技術)教育だが、英語は小5から正式教科とし、ICTに関してはICT環境を整え中学でも実施とある。タブレットに教科書を入れたディジタル教科書の導入に向けた準備とあるが、ICT機器を製造するメーカーにやられているのでは?少々飛躍するが、本やノートの代替としてPCやタブレットを使うことには反対である。物が違うのだ。例えば移動方法として、駕籠と車ほど異なる。本をパラパラめくるような動作は、PCやタブレットにはできないのだ。
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