株式投資"高速取引"の問題について

株式投資は素人に無理だということは世の常識ですが、私もその呪縛に陥りました!恥ずかしいことですが、ここで公開しなければ再び失敗するかも知れませんのでお伝えします。

追記:2017/9/2

株式の高速取引の不公正性に関し、当時私は遠吠え的意見を述べていました。今も全く変わってないようですね!
●株式投資"高速取引"の問題について 2014/4/12

株の取引とは、投資した会社の業績が良ければ配当があり株価も上がり、欠損を出せば株価が下がるということだ。しかし実際には、それほど単純に株価が変わるわけでない。儲かっていても全ての利益を明に公開することもないだろうし、損をしていてもバランスシートを調整して儲かっていると表明することもあるからだ。一方、たとえ今期損していても将来の見通しが明るければ、下がらないこともある。一般投資家は、そのようなことを理解し、株式市場がある程度公正明快に運用されているから投資するのだ。

今日の日経は、高速取引がどういうものか分かりやすく説明し、それが現状の株式取引をいびつにしていることを示している。これを私なりに説明すると、高速に売買判断処理できる高速回線と高速コンピュータを持っている投資会社が個人の取引の上前をはねているということだ。つまり、個人の投資家で数ミリか数マイクロかの普通の人間の判断を上回るレベルで売り買いをできる人はありえず、同じ銘柄で勝負する限り個人は全員間違いなく損するということとなる。本当かと思うかも知れないが、電子回路に人間の頭脳で勝負することは芸術的な事柄以外無理だ。子供にでも分かる例えで言えば、ピストルでミサイルに対抗するようなものである。

4月6日付けの日経朝刊によると"投資会社:バーチュ・ファイナンシャルは、2009年から13年末までの1238日の取引で損失が出たのがたった1日"とのこと。勝率は99.9%だ!これを言い換えると、個人の株式投資は止めろということだ。元来株式市場はゼロサムゲームだからである。誰かが投資した資金を、会社が大きく育てればその差額が配当になり株価にも反映される。それ以上の株価高騰は人気からだ。このまま高速取引を放置すれば、個人投資家の撤退が相次ぐだろう。株式市場は平等であるべきで、高速回線とスーパーコンピュータを持つ組織が勝ち続ける状況は"不公正"である。株式市場は新たにNISAという切り口で個人から資金調達をしているが、この状況で短期間に売り買いを繰り返せば間違いなく資金は目減りするだろう。投資した皆さんは慎重に!

個人的には株式投資に痛手を負ったことから、二度と株には手を出さないと決めている。30年以上勤めた富士通を退職し、なけなしの退職金全て(たった二千三百万円だが)を株式市場にゆだね、目減りの続くなか最後の資金を日本航空に入れ込んだ。今考えるとバカとしか言いようがないが、つぶれかかっていたナショナルフラッグの日本航空に賭けたのだ。当時、テレビなどで見る限り誠実な人だと思い込んでいた前原誠司国土交通大臣が『日本航空は潰さない』と明言したことを信じたのだ。今考えると、私は政治家の言をまともに受けるようなお人好しだった。それ以来、政治家は信用しないと決めたが、それまで新聞やテレビで何を読み何を見ていたのかと悔やまれる。この件に触発されたということもあるかも知れないが、私自身は彼の向こうを張って政治に乗り出そうと思っている。比較に値しない小粒だが本気である!
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追記:今でも東証の7割が高速取引とのこと 2017/9/25

今朝の日経の法務面に"フィンテック時代の金融法則"として株式の高速取引について述べている。大変驚いたことは現在も取引の7割が高速取引とのことだ。高速取引がどういうものかは上述したとおりだが、結局当時と全く変わってないようだ。中には証券取引所のシステムに物理的に近い場所に売買システムを設置している業者もあるそうだ。電気信号は光の速さだが、同時ならば少しでも近いほうが有利だからである。これでは普通の人は設備や回線を持てなく、資金を吸い上げられる一方だろう。ただ、このシステムの特性を踏まえた先取り投資で儲ける天才的な人もあろうが?私ならば絶対に手を出さない。もっともその資金が無いことが第一の理由だが。NISAは素人から金を集めているが、実績を知りたいところである。
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