記述式精神療法

長い人生での出来事は多々ありますが、精神を病むという困難にどう対処すればいいのか考え込んでしまいます。私もかなり病んでいますが、精神的より体力的な終局が先に来そうです。
●記述式精神療法 2014/05/10

日経の読書欄(2014/4/27)、村田喜代子氏の「屋根裏」についてのインタビュー記事を読んだ。屋根職人が修理料金を払ってもらえなく精神的に病んでしまう人もあるという脈絡で、「その屋根屋さんは自分が鬱病になったとき、医者から夢日記を書くよう・・・」とあり、サラリーマン生活の頃の一コマを思い出した。長く勤務したある小さい会社では、少々おかしいのは私を含めてそれなりの数だったが、完全におかしくなったのは二人いた。聞いた話だと、結局二人は精神病院に入ったそうだ。一人は仕事中に笑いが止まらなくなり、もう一人は「キー!」と叫びトイレに篭りトイレットペーパーで遊んでいた。彼がトイレから出てくると、いつもトイレの端にソフトボール大のトイレットペーパーの固まりが転がっていた。

さて、上記の「鬱病になったとき夢日記を書く」ということだが、この手法は精神病の治療法の代表的なものらしい。トイレットペーパー男の病気が顕著になってきた頃、彼の上司の話だと問題点記述方式的な治療を始めたとのこと。つまり、心にひっかかる事柄を明に記述することで"吐き出し"すっきりする手法のようだ。しかし、この程度の治療では遅かりしだったようで最後は精神病院に入ったとのこと。彼とは何度も話したことがあるが、叔父さんが大金持ちで亡くなると膨大な遺産がころがり込むとのことをよく憶えている。今頃は病気も治りハワイの別荘でくつろいでいるだろうか?それとも相変わらずトイレットペーパーで遊んでいるだろうか?

誰でも心に問題を抱えているが、その程度は千差万別だろう。それをどうかわしていくかが長い人生だが、どうにもかわせなくなる場合もあり、事件が起きたり、詩や小説を書くきっかけとなったりすることもあろう。後者の場合才能が必要で、それが無い私のような凡人はせいぜい不平不満や謝罪などを書くことでガス抜きするしかない。

村田喜代子氏は、屋根職人との会話を発展させ「屋根屋」という小説にしたが、「小説がうまれるのは自分の身辺から。リアリストでないと奇妙なものは書けない。」とのこと。この説によると私も何編かの小説が書けそうな気がするが、主人公が誰だか分かってしまいそうなのでもし書けても発表は控えておこう!ただ暇つぶしに小説の題材を考えるのは楽しい瞬間でもある。つい最近話題になった佐村河内守氏と新垣隆氏の事件は小説を超えているが!
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