東芝の今期収益について

東芝の最高益が、特許の舛岡氏や、私が新入社員の頃の上司の話にと…脈絡の無い話になりましたが、備忘録として記述しておきました。

追記:2015/06/13

今回の会計処理問題は、経営陣が指示して起こしたとは思えませんが、やはり経営者の問題でしょう。多くの重役は事業部出身だろうし、事業部を監督する立場にあろうから。

追記:2015/09/01

不適切会計処理問題は記事を読むかぎり先が見えません。とことん膿を出し切り、再び超優良会社に返り咲くことを期待します。恐らく社内倫理委員会などが開催され、創業の頃の原点に戻って経営姿勢を正すなどと議論されているのでしょう。

追記:2015/09/07

歴史があり社会的に評判がよく従業員がしっかりしている大会社ならば、経営陣がいい加減でもどうにかなるということでしょうか?まさか!

追記:2015/10/24

私が会社に入った頃に半導体研究部でCCDのお披露目がありました。当時私は、画像センサーというものに造詣がありませんでしたが、同期入社でディジタル研究部のG君が専門的な質問をしたことを思い出します。

追記:2015/11/08

粉飾決算が許されないことは誰もが分かっているのですが、それが日本を代表する大企業ともなると社会問題でしょう。膿を出し切り、従業員や株主が胸を張れる会社に生まれ変わってほしいと思います。

追記:2015/11/10

私が最も反応したのは「個人の利益を目的としたものでなく」です。これは個人の利益以外に何を目的としたのでしょうか?このような粉飾を続けていれば、いくら東芝でも再起不能になると思うのですが?末端でまじめに働く社員に聞いてみたいところです。

追記:2015/11/18

70億円という額は、私にはほぼ無限大です。例えば私は数年前右折禁止を見落とし、その罰金は5千円くらいだったと思います。

追記:2015/12/23

もし日本の全ての監査法人が東芝の監査法人と似たレベルだとすれば、楽な仕事に大金を頂いているということでしょう。このレベルの仕事で済むならば、監査法人不要論が出てきてもおかしくありません。大勢の人が公認会計士試験に挑む理由がこれだとすれば、世の中間違っていると思うのは私の勘違いでしょうか?

追記:2016/1/28

これまでのところ検察の動きは全く報道されていませんが、もちろん過去の粉飾決算事件同様に捜査していることでしょう。

追記:2017/2/2

東芝の不正会計処理については、一応の収束をしたことで書きこみを控えていましたが、ここにきて重大な経営ミスが表面化しました。私のような素人が考えても会社存続が危ぶまれる状況と思えます。

追記:2017/2/15

大企業がのたうち回っています。如何に企業経営が困難かを示すものでしょう。東京電力原子力発電所の事故、東芝の不正経営その後の経営ミス、どんなに大きい会社でも想定外のミスや法律を犯すと明日はありません。勿論私達庶民も全く同様です。

追記:2017/3/15

日経のOpinionには中山淳史氏が"GEになれなかった東芝"とのタイトルで書いています。GEと東芝を比較し、東芝がなぜ失敗したかを分かりやすく述べています。おそらく他の企業の経営者は他山の石とは捉えてないと思います。

追記:2017/8/15

好決算から事態が急変したことでショックを受けました。何人かの同級生や仕事を通じて知り合った人が東芝勤務でしたが、私より若い人はまだ勤めている方もいらっしゃるでしょう。

追記:2017/10/2

手も足も売り払いどのように蘇ることができるのでしょうか?恐らく社内では英知を集めて検討していると思います。過去の経営陣がとんでもないミスをしでかし、それを隠蔽し続け結局傷を深くしたことに部外者の私でも怒りがわいてきます。ましてや真面目に現場で働いてきた現役社員にとっては耐えがたい屈辱でしょう。むしろこのような隠蔽をしても、何の御咎めもないことが不思議です。

●東芝の今期収益について 2014/05/31

東芝の2014年3月期の営業利益は3300億円と25年ぶりの最高益ということで田中久雄社長の見解が出ている。内訳は、NAND型フラッシュメモリーが8割を稼いだとのこと。なお、数値が示すように東芝の好調の主因は、このフラッシュメモリーにつきる。もしこれが無ければとても自慢にならない。この好調を見て、東芝のフラッシュメモリーの元祖として有名な舛岡富士雄氏が思い浮かんだ。ウェブで調べたところ氏は現在日本ユニサンティスエレクトロニクス株式会社最高技術責任者とのこと。東芝を辞め、東北大学教授となったとまでは知っていたが今も研究開発に勤しんでいることに敬服する。

かなり前のことだが、舛岡氏はNAND型フラッシュメモリーの発明者として東芝を訴え、東芝は舛岡氏に対し8700万円を支払うことで和解が成立した。この時の弁護士は例の青色LED訴訟で有名な升永英俊氏である。舛岡氏の特許がまだ生きているかどうかはしらないが、今期の利益の8割がNAND型フラッシュメモリーであることを考えると、氏の功績は偉大である。勿論、フラッシュメモリーの研究・開発・製造を続けたことは東芝経営陣と大勢の社員の努力の賜物であるが、舛岡氏の次の過去の行動にも彼の功績が伺われる。氏は売れないメモリーを憂い自分から営業を申し出て米国の顧客を廻り売り込んだそうだ。このようなことは簡単にできることでなく、さらにその際の顧客の言い分を自分の特許に反映させたことは秀逸といえよう。まさに"必要は発明の母"だ。

この話を読んで、私が富士通に入社して二年目のことを思い出した。当時衛星通信技術部に配属されていたが、ある日突然私の目の前に、ハンサムで背が高いナイスミドルが異動してきた。この人こそが竹島氏だったのだ。当時、竹島氏は部長付だったと思う。私はいつも午前中は居眠りしていたので、管理職の目の前に座らされていた!なぜ居眠りかというと、実は毎夜独身寮で明け方2時、3時までマージャンをやっていたからだ!当時私の手取りは2万5千円くらいだったと思うが、それと同額をマージャンで稼いでいた。皆薄給だったから、全員が月末に現金を我が部屋に持ってきて精算していた。隣部屋の名古屋大学数学科を出た加藤がマージャンの経理を担当していた。勿論仲間内のギャンブルは無税だ。賭博法違反だが、もう時効だろう?もし税務当局に申告していたらどうなるのだろうか。勿論支払い伝票もないし、支払った側にも領収証は無い。それはさておき、皆さん雀荘で楽しんでいるだろうが、経費や税金のことを考えてチー・ポン・ロンとやっているとは思えない!

さて、竹島氏は無線技術部に所属していた時、部で設計した装置が売れなく、自ら申し出て営業に廻り売り切ったそうだ。そのことが部内はもちろん社内でも評判になり出世されたとのこと。親分肌の人で当時目の前に座っておられたが、私が毎朝駅前で買ってくるきつね寿司をパクつくさまを見て、「おいしそうだな鎌田君、俺もきつね寿司が好きなんだ!」と冷やかされたことを思い出す。そして始業のチャイムが鳴るや、私は深い眠りにつくのだ!今思い出しても冷や汗が出る。その後竹島氏がFJBの社長をされていた頃、私が起案したビジネスの"パソコン通信機械翻訳サービス"を売り込みに行った。その時竹島氏は私のことをすっかり忘れてしまっていたようだったが、顔を合わせたとたんに昔話になった。その後、私が入社時の部長だった雄城氏のお通夜でお会いしたが『悲しい、こんなに悲しいことは無い』と仰った。雄城氏とタグを組んで無線装置の売り込みに走り回っていた往時を思い出されていたのだろう。
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●東芝の不適切会計問題について 2015/06/13

東芝の今期の決算で「不適切会計問題」が表面化し、決算が延び延びになっていることは報道されているとおりである。この問題の端緒は安値受注である。ビジネスには、損をしてでも受注することがしばしばある。つまり、次の受注では優位に立てるからである。但し、現在の企業会計では予め分かっている損失には損失引当金を計上しなければならない。これを怠っていたのだ。当の本人に聞かなければ分からないが、意図的だろう。「会社内の問題であり来年には取り戻せるし問題ないのでは」と考える人もいるかも知れない。しかし、そうはいかないのだ。東芝を信頼して投資している人達からすれば、儲かってもないのに儲かっていると言って騙したととれるからだ。

新聞記事によると、パソコンや半導体などでも利益水増しがなかったかを第三者委員会が調べているそうだ。いずれ調査報告書が出ることとなるが、私が書いた上記エッセーは書き直しが必要となるかも知れない!東芝は会社規模が大きく事業部制をとっていることから、経理や営業も独立しているのだろう。それだけに事業部の損益にこだわりがあり、このようなことが起きるのだ。多かれ少なかれ他の大規模会社でも似たような課題を抱えていることが想像できる。私ごとだが、東芝の技術者や営業マンとは何度か仕事ですれ違ったことがあるが、全員優秀な人たちだった。

追記:東芝、決算発表を再延期 2015/09/01

上記表題で、米国子会社の不適切会計処理などを含め新たに10件が判明したとのこと。これが小さい会社だったらとっくの昔に倒産していただろう。税務当局にすれば虚偽の申請をしていたことになり、看過できないからだ。しかし、現時点で過去の経営陣に対する訴追などの話はないから法的には問題ないのかも知れない?もっとも万一東芝が解散となると日本経済に与える影響は計り知れないものとなる。そこにある原子炉のメンテナンスはどうするということになるのだ。それだけに大企業のオペレーションをする人には格別の能力と見識が求められる。

実は、私の会社は大赤字なので社長給与を支給してない。これについて会社法では取締役会を開催してその旨を議事録として残しておかなければならない。半年ほど前になるが、長尾税務署から二人の署員がいきなり現れこの議事録を確認していった。社長一人の微小会社で毎年数百万の赤字でもこのようなことに監査が入るのだ。もっともこれは私が選挙に出たことによる対抗陣営の嫌がらせタレこみ(*)だろう。
 *:これ以外にも"エッ"ということもあるが、それは選挙奮戦記に書いておこう。3年半後には再び選挙だ。

追記:最終赤字378億円とのこと 2015/09/07

2015年3月期の連結決算が発表された。不適切会計処理を修正した結果とのこと。これで膿を出し切り、万が一は無いはずだ。09年3月期から14年12月期までの決算訂正は最終赤字の見込みが黒字になったとのこと。つまり、毎年鉛筆なめなめ数字を調整していたから本当のところは誰にも分からなかったのだろう。粉飾をしようとする普通の会社だったら経理担当重役の頭の中や裏帳簿にその数値があるはずだ。それさえもなく長く続けられたのは、超優良企業であることの傍証とも言える。但し、今後は過去の経営陣の法的責任問題に行き着くだろう。当社のような年に数十万の売上しかない大赤字の微小会社でさえも、税務署から査察が入ったのだから!

追記:東芝、ソニーに事業売却 2015/10/24

日経朝刊によると画像用半導体リストラ着手とのことで、東芝のリストラがスタートした。最初の案件は画像用半導体で、記事では画像センサーを生産する大分工場をソニーに売却するそうだ。画像センサーと言っても、一般には「それ何?」だろうが、今やあらゆるところで見られる。専門的に言えば、センサーには二種類あり、CCDとCMOSセンサーである。ここでこれらの違いを説明することは避けるが、これらの素子は世界中に溢れていると言っても過言ではない。例えば、私の家では、私と家内のスマホにはそれぞれ2個、合計4個入っている。それ以外に、ノートPCやタブレットは勿論、カメラ、ビデオカメラ、車載カメラまでざっと数えても10を軽く超える。

さて、この記事ではCMOSセンサーの世界シェアを円グラフで表示しているが、ソニーの40.3%がダントツで、日本の会社ではキャノン6.3%、東芝1.9%、ニコン1.8%である。キャノンやニコンは主力商品の中核部品なので撤退は無いだろうが、問題を抱える東芝はリストラ対象にしたのだろう。

追記:"東芝、歴代3社長ら提訴"より 2015/11/08

上記表題で日経朝刊に詳述されている。記事によると、パソコンと家電とPOSが問題のようだ。パソコンや家電は既に誰にでも作れる商品になっており、中国や韓国のメーカと性能差を競うことは困難だ。POSは特殊な商品だが中身はパソコンで、ある意味誰にでも作れる商品である。今後は、儲からない商品を切り捨てるか、コストダウンや性能アップなどで儲かる商品にしなければならない。但し、それらの対策には時間と費用がかかり、リストラともなると従業員の痛みも避けられない。提訴されている歴代の社長が子供じみたことをしでかしたことに今さらながら驚く。従業員や株主よりも、自分自身のことのみを考えていたことに!

追記:調査委員会報告書より 2015/11/10

今朝の日経から引用すると、役員責任調査委員会の報告書には

…「有価証券市場の健全性を害した」「企業統治の欠陥を露呈した」などと指弾。(中略)「善管注意義務(*)」に違反していたと指摘した。…

とある。さらに、元社長等5人の行為については

…「決して看過されるべきでないが、いずれも個人の利益を目的としたものでなく、会社に特別の損害を加えようと画策したものでもない」と総括。損害額の算定などでも…

とのことである。企業面では詳細に記述しており、今後の東芝をどう評価するかの手がかりにはなるだろう。格付け会社のムーディーズは、Baa2からBaa3に格下げしたとのこと。
 *:善良な管理者としての注意義務とのことで、商法上の用語のようだ。私も管理職研修を受けたが、このような用語はとんと聞かなかった。忘れたか?それとも人として当たり前のことだから、ことさらに教える必要もなかったか?

報告書の「…個人の利益を目的としたものでなく…」には会社として身内をかばう心情が表れている。彼らの行為は、自分たちの評価を上げ、給与や役員賞与を高めることが目的だろう。その結果として、企業価値の喪失が起き、さらに今後の再生もおぼつかない。そもそも、不採算な商品が出れば、その価値を上げるか販売停止するかなどを決めるのが役員の仕事であり、儲かってもないのに儲かったというのは詐欺だ。もし東芝が今後も彼らのような愚劣な経営者をかばい続けるならば、企業として生き残ることは困難だろう。20万人近い従業員の生活や日本経済に与える影響を考え、厳正な処分が必要だ。

追記:課徴金70億円超 2015/11/18

今朝の日経一面見出しに"東芝 課徴金70億円超"とあり、証券取引等監視委員会による行政処分の罰金の額がほぼ見えてきた。この処分は会社に科するものであり、今後は社長等個人に科する刑事処分が問題となろう。記事によると、オリンパスの場合刑事事件として告発されたが、東芝の場合は「経営陣主導と認定するにはハードルが高い」との言もあるとのこと。勿論私の個人的な意見だが、オリンパスも東芝も経営陣が主導して粉飾し、末端の従業員がやったことでは無い。経営陣が彼ら自身の体面を取り繕って不善を成したということだ。これが犯罪で無いならば、粉飾なんてちょろいもんだとなろう。

●追記:"新日本監査 課徴金21億円"より 2015/12/23

今日の日経朝刊によると金融庁は新日本監査法人に3カ月の新規業務停止を命じたそうだ。東芝側は巧妙に会計操作をすることで公認会計士を欺いていたのだと思っていたが、記事によると「…パソコンは製造原価がマイナス計上された異常な月があったのを把握しながら、新日本で情報を共有していなかった。…」とある。経理のド素人の私でも、"製造原価がマイナス"ということは異常(普通は仕訳ミスと判断)だと分かる。この異常さを分かりやすく言えば、パソコン1台を製造するとそのパソコンに1万円札数枚が添付されて工場から出てきて、なおかつそのパソコンの部品代や人件費も不要だったということになる。東芝は社内に"金のなる木"があったのだ!監査法人やその構成員である公認会計士は市場の番人と言われ、経済活動における金の流れを見張る警察官である。今回の公認会計士の仕事ぶりは、警察官が泥棒を見逃してやったようなものだ。最近の似たような事件としてライブドア事件では、ホリエモンに最高裁が懲役2年6ヶ月の実刑判決を言い渡した。ライブドアとはケタ違いの東芝の巨額粉飾はどうなる?経営陣が自己保身のため粉飾を繰り返した結果として、大勢の従業員が早期退職や転社を迫られていることにその深刻さが際立つ。今後の司法判断を見守りたい。

●追記:賠償請求32億円に増額 2016/1/28

今朝の日経には上記タイトルで、旧役員5人に対する請求額を3億円から32億円に増額するとのこと。その根拠は金融庁からの課徴金や監査人費用20億7千万だ。企業犯罪に関しホリエモンが収監されたことで、企業経営者は襟を正したかと思ったが、どこ吹く風だったことが分かる。さて、今回の請求額は一人あたり約6億円だが、旧役員の手当はいくらだったのだろうか?有価証券報告書には総額が記載されているが、個人別はない。私も微小会社を経営しているが、経理面では1円たりとも間違いのないように努めている。もっとも粉飾のしようもない売上規模だし、大赤字だが!

●追記:原子力の難しさ 2017/2/2

東芝の粉飾事件は経営者の不正である。ところが、今回の巨額損失は経営者の失敗といえる。粉飾の損失を一掃するため、最後の企てと原子力事業に総力戦を挑んだ経営陣だが、大間違いだった。ウェスチングハウス(WH)を買いこみ、世界最大級の原子力専門企業として再出発したが、約6000億円で買ったWHは実は大きい借金を抱えていて、今年度の東芝の決算は5000億円の赤字だという。私はこれを聞いて大変驚いた。そもそも原子力発電は福島原発の事故以来多くの人々にその将来性が危ぶまれている。米国では原子力発電は実験レベルでの存続状況である。なぜそのようなものに全力投球するのか、はたまたWHの経営実態を調べなかったのか、東芝の経営陣には何をやっていたのだと言いたい。ここまで原子力に特化するともはや再生は困難だろう。なぜなら原子力は現在の科学技術では事故時の暴走を止めることはできないからだ。即ち東芝は自ら売った原子力施設の安全性を100パーセント保障できないからである。人間は意図せぬ失敗し、形あるものはいつか崩壊する。

●追記:東芝、債務超過1921億円 2017/2/15

今朝の日経一面の見出しは上記のとおりである。債務超過と言っても一般の人にはピンとこないと思うが、簡単に言うと商売に失敗し家屋敷や貯金を全部はたいても、借金が残ることである。原因は東芝が買収した米国の会社の想定価値はマイナス105億円だったが、実際にはマイナス6253億円とのこと。この数値は"のれん代"と言う。私が会社勤めの頃、米国の会社に投資するプロジェクトで"のれん代"を知った。東芝では売れるものは全て売って倒産を回避するそうで、虎の子だった半導体部門を分社化して投資ファンドに売るという。なにがなんでも倒産を避けるという意思表示である。ただここで持ちこたえても、手足を売ってしまい原子力を核とした発電事業のみで東芝ほどの大きい会社を支えることは無理だろう。経営陣の不正、さらに暴走と無策には何ともいうことが無い。蛇足だが、我社も今のところ債務超過である!売れるものは何もないが、私の生命保険金のみが支えだろう?

●追記:東芝、WH株過半売却へ 2017/3/15

今朝の日経一面の見出しである。粉飾決算とウエスティングハウス買収で東芝の命運がつきたとも言えよう。全て経営陣の犯罪や経営ミスによる。ウエスティングハウスの買収は2000年代半ばとされるから、その頃から会社経営は病んでいたのかも知れない。いずれにせよ新聞を読む限りでは、将来の展望は全く見えない。採算部門は切り売りされ他の企業の一部分となれるが、将来性の無い不採算部門のみが残ったのでは誰が考えても存続は困難だろう。東芝ほどの大企業でも一歩経営ミスをやると奈落の底に落ちてしまうのだ。私の同級生で東芝に入社した人は全員定年退職済みだろうが、働き盛りの社員やその家族のことを思うと心が痛む。

●追記:感想記述を止める 2017/8/15

私が最初に着目した好決算から数年、日本屈指の大企業が会社消滅の危機にある。2015年5月に問題が発覚、何かが表面化するたびにマスコミが報道、今や終局に近づきつつある。本質的な問題は過去の経営陣にあることは明白で、もはや後を託された現経営陣には手の打ちようもない。採算部門は別会社で生き残れようが、全ての事業と従業員を守ることは困難だろう。どんなに大きい会社だろうが、もちろん小さい会社も、全て人の決断に結果が伴う。会社の未来は経営陣の手腕にかかっていると経営の教科書にあるが、一旦傾き始めた巨艦を立て直すすべは書かれて無い。老舗の研究はいやというほどビジネスの教科書に出ているが、東芝はまだ老舗でなかったということだろう。つらい思いをしている人が大勢いるので、もう感想を書くことを止める。

追記:"東芝解体"より 2017/10/2

もう書かないでおこうと思ったが、日経朝刊にこれまでのまとめが記載されており、サブタイトルは"迷走の果て"である。それを読み少々思うところがあったので書いておく。この中に「選択と集中」という言葉が出てきた。米国のビジネススクールで生成された言葉だが、それを間違えるというか勘違いすると東芝のようになるのだ。東芝の場合、将来性のある(*)ものをどんどん捨てて、最も危険で儲からないものに突っ込んでいった。ウェスチングハウスの買収である。戦国時代や江戸時代でもビジネスの栄枯盛衰はあり、人類以前の古生代からでも生物の栄枯盛衰はある。我々は学校で学んだが、人類を含むあらゆる生物は環境や気候変動などに適合したもののみが生き残った。
 *:半導体メモリは生き残りのため捨てざるを得なかったが。

さて「選択と集中」だが、そもそもこの手法は正しいのか?東芝と並び称される日立は、私が見るに「選択と集中」より「分散と多角化」を軸としているように見える。日立という大きい集合体の中に様々な商品やサービスが展開されており、どこかがコケてもどこかが支えるという戦略と見え、少々儲かっても浮かれた様子が全くない事も会社としての安定感だろう。一方、東芝ほど大きい会社が三つ四つのカテゴリーのみでやっていくことはそもそも無理だろう。米国ではある企業内で不要となった商品は関連する設備や人とともに簡単に切り捨てでき、またその人材を受け入れる文化や土壌がある。しかし日本はなんだかんだ言っても社会にも会社にも浪花節の世界があり、"首"ということは相当な困難を伴う。私は何人かの東芝と日立の人を知っているが、日立の人は地味で基礎能力が豊か(*)だと感じていた。恐らくそれが日立のカラーで、現在の日本のビジネスに合致しているのだろう。
 *:何にでも例外はあるが。

日経の記事では、メモリー、リチウムイオン電池、青色LEDなどの製造面で韓国などの企業に席巻されていることを憂いている。80年から90年頃にあれほどの勢力を誇った半導体が今や見る影もなく、ある大企業では跡形も無くなったのだ。日経の表現を借りると

…「一社総取り」の様相が強まるハイテク産業。20年以上前から「選択と集中」を掲げる東芝の挫折は、日本企業が打ち破らなければならない厚い壁を象徴している。…

とある。日本の大企業に「選択と集中」は正しいのか?
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