なぜマイナンバーが必要か?
これだけコンピュータや通信が発達しているのに、なぜマイナンバーが導入されないのかずっと不思議でしたが、それは第一にお金持ちに不利な制度だからだと判断していました。過去に住民基本台帳という用語で実質的なマイナンバーの導入が図られましたが、なんだかんだとケチをつけられて事実上消滅に近いことを思い出します。大金持ちや犯罪組織は我々庶民の想像を絶する力をもっていることだと理解していました。
●なぜマイナンバーが必要か? 2015/10/26
私心としてマイナンバー導入は必需である。マイナンバーの効用について多くが語られているが、今日の日経の宣伝面で「マイナンバー制度は社会の根幹を良くする基盤」との表題で東京大学教授須藤修氏がマイナンバーのメリットを述べている。その第一は「行政サービスの向上」とし、最初の段落では超高齢化社会での医療福祉などの効率向上を例にとり、社会保障制度改革と税制改革の基盤となるシステムだと述べている。
さて、私には"税制改革"こそが最重要と思う。つまりマイナンバーにより個人の収入は一元的に税務署で管理できるようになる。これまでは、誰かの脱税をチェックしたいとなると、不動産はどうなっている、海外に貯金は無いか、アルバイトをやってないかなどと調べなければならない。これがマイナンバーを基にチェックすることで一発で分かることになる。つまり銀行口座からなにから全て紐つけされ、行政側のコストダウンになり、税収増となるのだ。
この制度では"税制改革"に大きいメリットを見出すことができる。端的に言えば、脱税がより困難になる。普通のサラリーマンだと脱税など考えたことも無いだろう。私のように貧しい自営業者はそもそも大赤字だから脱税の余地もない。この制度が最も効いてくるのは超富裕層だ。国民の1%とも言われる高額所得者や0.1%の超高額所得者は少々考え込んでいるだろうか、それとも対策済みだろうか?一般論として高額所得者は給与所得以外に、不動産所得、株式売却益や配当、その他の所得など、貧しい私には想像もつかない種類の収入があるだろう。それらのうち、紐づけが可能な項目は、今後全て当局に把握されるということだ。当局からすれば、税務監査経費は減り、税収は増えるということとなる。すなわち、国家は潤いその潤いは庶民に還元され、私のような貧しい庶民には喜ばしいことである。
テレビニュースで、ピンクサロンでアルバイトするOL(*)の収入がこの制度により会社側にバレることが話題になっていた。このようなアルバイトは、兼業を禁止する会社の場合出来なくなる。会社勤めしていた頃の話だが、賃貸用ワンルームマンションを持っていたり、自宅に帰ってからは家業に精を出していた同僚もいた。ある人は会社に申告していたが、ある人は申告して無かった。まあ、その程度の脱税は大した額では無いだろうが、ちりも積もればということもある。
*:ある子会社に勤めていた頃の事務系の30歳くらいの独身女性のことだが、この人は私と懇意の重役とも知り合いで、時々昼飯を一緒に食べる関係だった。なんだかんだの話の中で『かなり前の事だが就業後キャバクラでアルバイトをしていた時、同僚の社員が客として来たのに驚きあわてて背もたれに隠れた』との話を聞き大笑いした。なお、この時は気付かれることはなかったそうだ!
さて、米国では国民総背番号制が"Social Security Number"という名称で採用されており、数十年前に私もハワイで登録した(*)。運転免許取得、銀行口座開設等、何かと必要で、犯罪歴から何から全ての情報がデータベースに登録されるようだった。米国の状況などを鑑みれば、脱税している人や犯罪を犯した人などはこの仕組みは大変困る。しかし、腹を探られても何の心配も無い我々庶民はこの制度には全く問題が無い。例えば、自分の番号が他人にバレると誰かに銀行からお金を引き出されるなどのことは無いのだ。一方、プライバシーが云々という議論もあるが、具体的にどういう項目が他人にバレると何が問題なのだろうか?家庭内暴力から逃げ出したお母さんと子供の居場所が暴力親爺にバレると困るという例がテレビで放映されている。しかしこれは特異な例で、そもそも暴力親爺を逮捕すべき問題だろう。一般論として、大した金も財産もなく賞罰もない人、つまり我々庶民には何の問題もない。この導入により、役所や会社の税収増と経費減だと考えれば良い。最後に何度も言うが、単なる私心である。
*:私のSocial Security Numberカードである。アメリカで犯罪を犯すと、このID番号に登録される。若い頃の写真で、Tシャツだ。裏面には両手の指の指紋が登録されており、本人確認は完璧だ!
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