MATLABと私

興味ある記事が掲載されると買う雑誌です。もう数年前になりますが、仕事でMATLABとすれ違ったことがあります。
●MATLABと私 2016/1/26

インターフェースという月刊誌で、CQ出版社が発行するコンピュータの技術誌、2016年2月号はMATLAB特集だったので早速購入した。私は数年前、引退直前に働いていた両毛システムズでMATLABに出会った。当時私の近くに座っていた荻野取締役(*)は新規事業として組み込み事業を画策していた。両毛システムズは大手自動車部品メーカを親会社とし、電子化が進む自動車部品などへの親和性も高いからだ。
 *:現在の役員名簿によると技術部門のトップになっている。荻野氏とよく技術論を交わしたが、まず意見は一致した。

MATLABとは技術計算用サブルーチンの集まりだが、この説明だとコンピュータ技術者にしか分からないだろう。もっと言えば、電子回路の設計の際にはトランジスタ・抵抗・コンデンサーなどの部品をパラメタとした数値計算が必要だが、そのパラメタが計算式と等価に指定できることからプログラミングが楽なのだ。例えばC言語を使ってマトリックス計算をするとなるとMATLABのように数行ではできない。

さて、この雑誌を読んで驚いたことだが、実は私が初めてMATLABにお目にかかった頃、そのお値段が数百万円とのことだった。これでは資金力のある会社でないと使えず、恐らく普及しないだろうと思っていた。ところが、現在個人向けには15,000円で販売されているとのこと。だから、雑誌に特集が出るようになったのだ。恐らく学生達がロボットコンテストに出す機器は殆どMATLABで設計されていると思われる。

我社での開発はちょっとしたアイディアを形にしているが、その多くはマイコンで実現できる。電気科の学生がロボット製作に夢中になれるのもマイコンの進化が助長している。私が学生の頃はトランジスタを使って設計しており、単純なロジック部分と線形増幅器のみがIC化されていた。その後、電卓用CPUがLSI化されてからあれよあれよという間に現在のスマホの時代となった。今のところパソコン用CPUはインテルの独壇場だが、それ以外は混沌としており誰にでもチャンスがある。但し、インテルと言えどもARMのクワッドコアとLINUXがPCの主戦場にいきなり躍り出てくれば、何が起きてもおかしくない。我社もそれを踏まえてひと山当てるウオーミングアップ中ではあるが?
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