AI,応用力に課題
いいかげんAIの悪口を言うのはよしなさいとの声も聞こえてきそうだが、機械翻訳に少々関わっていたことから、再び。
●AI,応用力に課題 2017/3/21
少々旧聞(2017/2/24の記事)になるが、日経朝刊に上記の標題でAIの「東ロボくん」は東大に合格無理とのことが書かれていた。もうAIについては書かないと宣言しておいて再び書くのか?と言われそうだが、この記事を読んでいて大昔少々関わった機械翻訳に技術要素が似ていると思ったので書くことにした。
東ロボくんの弱みは、英語の成績に顕著に出るという。例えば「一文問題」はほぼ完全に解けるが「複数文問題」は難しいとのこと。一文問題とは一つの文章で完結する問題であり、文法、語彙、語句の並び替えは全問正解とのこと。しかし一つの段落などを読み解答する問題は得点できなかったそうだ。
現在の機械翻訳システムも上記と同様である。完結した一文はその文章にすべての要素が含まれていれば完全に翻訳できるが、前後の文章を踏まえて翻訳することはできない。もしそれができれば通訳者は職を失い、同様に自動車や列車のAI運転が実現すればドライバーは職を失う。この記事を読む限りでは、東ロボくんはパターンマッチングと膨大なデータベースを頼りに受験勉強をしていたようだ。
現状ではこれ以上の改善が難しく東ロボくんの開発は一旦終了するとのこと。機械翻訳に関し、あるマイクを通すと日本語が完璧な外国語になるような時代がくればAIが実現したとなろうが、恐らくそれは現在の技術の延長線上にはないだろう。少々夢がなさすぎるか?もっともそのような技術が犯罪や軍事に使われると人類の滅亡となる。犯罪者やそれに近い人が大勢いるからだ!技術の進歩が人類の繁栄につながるかどうかは、e=mc2を考えると最後は全員消滅だろう。はてさてそれは何時になろうか?くわばら、くわばら。
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