なぜ英国に旅行したかは、"60日間イギリス一周"に記したように子供のころに読んだ小説と友人達に会うことだが、実は高校生の頃に忽然と現れたビートルズの故郷を尋ねたいという想いもあった。ビートルズを語ればビールを飲みながらなら一晩で終わらないと思うが、彼らの音楽は小中で聞きなれていたフランクシナトラやプレスリーなどの曲想からは完全に逸脱していた。特に私は"Yesterday"や"All My Loving"に完全にやられた。この二曲の特徴は、変則的な始まり(*)にある。音楽の時間にならった手法からは異なっているからだ。それだけに私はとりわけ新鮮に感じたのだろう。
*:最初に"Yesterday"を聞いたとき、"君が代"に似てるなと思った。ポールマッカートニーの天才ぶりは、この曲に明に示されていると思う。彼が最初にこのメロディーを思いついた時、周囲の人達にこの曲を聞いたことがないかと尋ねたことが何かの本に記述されていた。