ビジネスのための使えるAI
中にはAIを否定する記事もあり、AIに何ができて何が問題かを明にしており安心しました。もっとも殆どのビジネスマンはAIが勝手に考えて自分に代わって金儲けをやってくれるとは夢にも考えてないでしょう?
追記:2017/7/24
数学や物理が根底となる施策には、理数系出身の官僚が委員長となって検討していただきたいと思います。
●ビジネスのための使えるAI 2017/7/5
今週の週刊東洋経済は上記表紙である。もういい加減AIの悪口を言うのは止めると宣言しておいて"またかい?"と言われそうだが、ついついこの表題が目に入ってしまった。そうなると見過ごせないのが私の悪い性格で、結局一語一句読むことになる。第一章は、まずグーグルやアマゾンなどがAIをどう考えているかということ。別の書によると、グーグルにはハーバードの数学科卒業生が何人いるかなど、米有名大学の数学科の卒業生が大勢シリコンバレーのネット企業に吸収されていることが記載されていた。ネット企業が数学科出身者を囲い込むのは、AIを数式化したいことに他ならない。グーグルなどは、数式化したAI(*)で今後のハイテクの世界を牛耳りたいのだ!なぜそんなに多くの数学科出身者を採用するのかと言えば、一人でも漏れた人がよその会社で活躍すると困るからだ。金にものを言わせて、有名大学の卒業生全員を採っているというのが実態だろう?
*:数式化できればプログラム化もできる。プログラム作りを生業としてきた私だが、数式が無いシステムは掛け声レベルと考えている。
そこで読み進むのだが、この記事ではディープラーニングがAIを解くカギのように述べている。バカな私には何度か読んだが、すっきりしない。シンギュラリティ(*)が2045年に起きるという見方もあると記載しているが、例えば記憶力や計算力はコンピュータがとっくの昔に人間を超えている。何をもってシンギュラリティというかだが、AIが勝手に考えて人に代わって仕事をすることとすれば、お掃除ロボット、お洗濯ロボット、お買い物ロボット、はたまた会社員ロボット、農作業ロボット云々、最終的にあらゆることを人に代わってやってくれる万能ロボットができるのだろう?そうなれば私は毎日朝からビールを飲んで、ロボットに肩を揉ませればいいのだが?記事で示唆されるシンギュラリティが2045年の実現では少々遅すぎる。残念なことに私はとっくにあの世だ!
*:AIが人間の知能を超えること。
最初に目を引いたのは、NECデジタル戦略本部シニアマネージャー荒井匡彦氏の弁である。「今あるデータで、できることはほとんどない」とのこと。顧客との対話でやりたいことを詰めていくと、結局コスト増になるそうだ。コンピュータ会社は顧客に安く・速く・正確にとコンピューターの導入を薦めるが、既に多くの企業ではそのレベルのコンピュータ化が終っているからだ。
最も私の気を引いたのは、国立情報学研究所教授新井紀子氏の意見である。まだまだ日本企業のトップの多くはAIでできること・できないことの違いが分かってないとのこと。次に荒井氏はX線写真のパターン認識や血液検査の数値解析などをAIと規定し、それはAIの方が得意と言う。主たる意見には、中高生の読解力を問う二つの例題を挙げて、実に残念な結果と今後の対策を述べている。別の新聞にも記載されていた氏の意見、結論はAI以前に中高生の読解力向上が必要ということである。産業革命が多くの単純労働者の仕事を奪ったように、AI(*)が基礎能力の欠如した労働者の仕事を奪うことを懸念している。バカな私にしてみれば、AIが楽にしてくれるのでなく、AIに潰されるということは冗談じゃない!
*:ここではあるレベルのデータ分析やパターン認識をAIと規定しているようだ
元に戻る
追記:官製開発ルールの的外れ 2017/7/24
上記雑誌の新井紀子氏のインタビュー記事のすぐ後に面白いことが記載されていたので追記する。ディープラーニングの開発と活用を手掛けるプリファードネットワークスの丸山宏最高戦略責任者は、総務省の産官学会議「AIネットワーク社会推進会議」に参加していたが出席2回で脱退したとのこと。その理由の一つに事務局が提起した論点「人間に捨てられ野良化したロボットが徒党を組み、参政権を要求したらどうすべきか」があったそうだ。理系の学生ならば国の専門家会議で実にバカげた議論をしていることが分かる。まあ国会答弁にも酷いものがあるが!いずれにせよこのような漫画チックな議論に当代一流の技術者は付き合ってられないということだ。但し、私がお世話になったある財団の官僚出身の理事長は東大法学部卒だが、御自分が専門でないことはバカな私にも質問していた。このような方が会議を主導すると問題は起きないが!官僚の中には、少々漫画の影響を受けすぎた方もいるということだろう。
元に戻る