将棋ソフトとAI
将棋ソフトも人口頭脳と称される昨今ですが、はてさてAIはどこに行く?
●将棋ソフトとAI 2017/7/14
いささか旧聞になるが、日経読書面の「人口知能はどのようにして『名人』を超えたか?」(*1)という将棋ソフト作成者の新刊が紹介されている。"最近プロ棋士を破った「ボナンザ」という将棋ソフトだが、このソフトを作った山本一成氏によると「ボナンザが指した手が勝利につながったかどうかを自己学習しながらアルゴリズムを調整する」(*2)とある。プロ棋士は数十手先まで判別しているようだが、コンピュータは勿論何百手先だろうがメモリが潤沢でCPU速度が速ければ問題ない。しかし、数あるソフトの中で最強となったことは立派である。恐らく多くのソフトは同様のアルゴリズムを持っているだろうが、ボナンザには何かの優位性がアルゴリズムにあると思われる。これまでの人間の指し手を参考にせず、ボナンザ自身が指し手を決定するようにしたとあるが、これがミソのようだ。
*1:2017/7/4
*2:将棋のルールは分かりやすくプログラミング化は簡単である。ただプログラムの優劣はスピードにもあり、次の手を他より速く判断できるプログラムが良いプログラムである。
なぜこの記事を取り上げたかというと、山本氏は「開発の苦労を振り返りつつ、人口知能とは何かをつづった。」とある。このボナンザが「理解を超える手を指し始めた時」とあり、あたかもアルゴリズムを超えたとも、新アルゴリズムを考え出したとも取れる。ボナンザが自己学習によりアルゴリズムを微調整するそうだ。"自己学習"という言葉に如何にも人口頭脳(AI)という響きを感じてしまうのは私の悪い癖だろう。この自己学習をアルゴリズムに展開できれば、多くのルールの結末を最適化できる。いつかこの本を読んでみたいが、間抜けな私には理解が困難だろう。
さて、山本氏の今後の夢はシンギュラリティとのこと。コンピュータが人間を超える特異点をシンギュラリティと言うらしいが、少なくとも囲碁ソフトは人間を超えたし、そういう意味では銀行オンラインはとっくの昔にシンギュラリティしている。ソロバンの有段者がどんなに頑張っても計算能力はコンピュータに勝てなく、現コンピュータにゆだねられた単機能を言えば枚挙にいとまがない。そういう意味でシンギュラリティとは何だろうかと考えてみた。
"シンギュラリティとは"でGoogleをサーチすると結果が五万と表示されるが、どうもスッキリしない。例えばコンピュータが計算能力で人間を超えることは、戦前に真空管式コンピュータで達成されている。さらにある検索結果を読み進むと、核融合が実用化され全ての人に衣食住が提供されるユートピアの出現がそれだとも書いてある。さらにそれに伴い医学も進歩し不老長寿が実現されるとある。そうなれば良いが、年老いた私が貧困にあえいでいる間には実現されそうにないことが問題である。
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