58歳からの楽々運転術:徳大寺有恒を読んで

全ての人は年を取り、あらゆる行動に制限を受けるようになります。その一つ一つをキープしたいのは人情でしょう。但し、運転ともなると、万一の際に人を殺してしまうのです。そのリスクをどう考えるかでその人の引退の時期が決まります。

●58歳からの楽々運転術:徳大寺有恒を読んで 2014/08/08

年を取れば運転は困難になることは明らかだ。運転どころかそのうち走ることも歩くこともできなくなってしまう。そういうことから、いつ運転から撤退するかの判断は重要である。勿論撤退の前はかなり五感が衰えているから事故率は高いだろう。この本は撤退を前にした年寄りに対する運転のアドバイスである。私は若い頃免停3ヶ月の大事故を起こしたことがあり、簡易裁判も受けたことがある。それを教訓に運転には最大の注意を払っているが、それでもかすったあたったレベルの小さい事故は何度かある。そしてつい2年程前には、右折違反と一旦停止違反をたて続けにやってしまい、ゴールドマークの優良ドライバから前科有りのブルーマークに格下げになった。加齢により注意力が劣化しているという証明を自身でやってしまったのだ!

さて、この本だが1999年刊で少々古いが内容に陳腐さは無い。当時技術的には既にハイブリッドが実用化されていたし、ガソリンエンジンの性能は現在のものより劣るが、そう極端に変わらないからだ。過去十年極端に変わったのは、馬力でなく燃費だろう。普通の車をどう安全に運転するかということがこの本の狙いだから今でも内容は問題なく通用する。但し、徳大寺氏は軽自動車を積極的に薦められないと言う。軽自動車のアンダーパワーが高速道路などで難があるとのこと。私は三菱ミニカという550ccの軽自動車を所有していたことがあるが、第三京浜保土ヶ谷料金所入り口から東京に向かってゆっくりと上っていくあの坂では、最大に踏み込んでも皆さんについていけず、いつも左車線を最大に踏み込んで走っていた!車の安全には、スピードだけでなく、余裕ある加速も必要だからだ。

この本には、私も全く同じ経験をしたことが記述されており思わず笑ってしまった。後半の佳境に至る部分に「…以前、私は青山の交差点で歩行者が横断するのを待って停止していたら、何を考えているのか、横から走ってきた歩行者にドーンと「側面衝突」されたことがある。クルマが人をハネるというのは知っていたが、長年クルマを運転していて初めてであった。…」とのこと。実は私も歩行者に側面衝突されたことがある。港北のコーナンというホームセンターの駐車場だった。私の車はトヨタのMR-Sという小さい車で、エンジンが後ろにある。だからエンジン音が歩行者に伝わりにくいのだ。一方、コーナンの二階駐車場は天井があり、他車のエンジン音も混ざって歩行者には後ろから近づく車の音は分かりにくい。そのとき家族連れ3人が私の左側を歩いており、頑丈そうな親父さんは左を向いて家族に対してお喋りしていた。その親父さんがいきなり平行して右側を進む私の車の側面に衝突してきたのだ。お喋りに夢中で私の車に気づかず車道を横断しようとしたのだ!サイドミラーを倒しただけで済んだが、もしまん前を横断されたら完全にアウトだった。狭い駐車場だから人の歩く程度のスピードだが、バタンと真ん前に倒れられたら誰もよけることはできない。

この後、直ちにドライブレコーダを買い込み装着した。勝手にぶつかってきて、被害請求されたのでは困るからだ!この親父さん照れくさかったのか、とぼけてさっさと行ってしまったが、事情が分かってない奥さんから厳しくにらまれた。私は何も悪くないのだが!この時に、わが社の製品として車両の接近を知らせる擬似エンジン音発生器を考えた。製品化を前提に、散々調査したが腐るほど特許申請がされている。但し、決定的なものは無い。大昔から「右折します。ご注意ください。」との警告音がでる装置や、重低音のエンジン音を出したりトランペット音などを出す装置は販売されている。しかるに類似製品有りとして特許として成立しないのだろう。私はこれとマイクロコンピューターを組み合わせた面白い装置を考えている。但し、アイディアはいくらでもあるが、資金は有限だ!資金力豊かな方の投資を乞う。
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