"閼伽"とは

閼伽がサンスクリット語と関係があるとは思いませんでしたが、ヒンドゥーと仏教との深い関係を考えるとそうかも知れませんね?そもそもサンスクリットはインドで現在も使われている言語の一つですし。

追記: 2014/11/16
私の教養レベルには重大な欠陥があると思います。指摘してくれる身近な人がいることに感謝すべきでしょうか?
●"閼伽"とは 2014/11/05

北村太郎のエッセー集"詩へ 詩から"に「水」について書かれていた。彼のエッセーの中でも原稿用紙2枚程度の最も短いものだ。CULTUREという雑誌に掲載されたもので、化学式を引用したり、アクアラングの説明をしたりでマス目を埋めていることから、締め切りに迫られ少々無理して書いたのかもしれない。このエッセーに出てきたのが"閼伽"だ。恐らく多くの人は閼伽をアカと読めないだろう。通常学校で習うような単語でないからだ。勿論私も読めなかったが、実はアカは親しみのある用語だった。なお、「閼伽とはサンスクリットのArghaから来たらしい(*)」と北村は書いている。
*:俗説との指摘もある。真偽は専門家におまかせしたい!

さて、私が育った家は海辺にあり、近くの漁師部落は私の遊び場で勿論多くの友達も漁師の息子達だった。当時は全ての漁船が木製だったが、今ではプラスティック製になり船底の板の隙間からの浸水問題は解消された。しかし、私が子供の頃の船には必ず桶が付属していて、定期的に漏水を汲みだしていた。その水を汲みだすときに漁師は「アカ出せ」というのだ。私は当時このアカは垢かと思っていた!つまりジワジワと垢のように船底に溜まるからだ!長じてから、このアカはアクアが語源だろうと漠然と考えていた。ところが十年くらい前にインドやインドネシアに行ったとにきにその確信を得た。インドやインドネシアでは水をアクアと言うのだ。ヨーロッパでもアジアと同様水をアクアと言い世界共通用語のようだ。考えてみれば、水は人にとって最後の砦だ。食料が無くなっても水があればある程度生命維持ができるからだ!恐らく最初の人類が口にした用語が世界中に広がったのだろう。

現代人はアフリカを起源として全世界に拡散したことはDNAレベルで証明されている。つまり黒人も白人も我々日本人も起源は同じで皆さん親戚である。我々のご先祖様がアフリカの大地溝帯を旅立ったときに最も重要な用語である"アカ"だけは、忘れなかったということではないだろうか?私の勝手な妄想だが、言語研究者に聞いてみたい。アフリカから最も遠いところの言語である朝鮮語と日本語の類似点は他の言語に比べて非常に多い。モンゴル語にも類似点が多いそうだ。どおりでモンゴル出身の相撲取りは実に流暢な日本語を喋る。言語的には、モンゴル人、朝鮮人、日本人が近い親戚関係にあることは素人の私でも理解できる。

北村のこのエッセーを読んで、子供の頃のことやインドやインドネシアのことなどを思い出してしまった。インドネシア語で水をアクアということを教えてくれた男が、あるときラーマヤナをとうとうと詠いだしたのには驚いた。バリ島では、ヒンドゥー教が日々の生活に染み込んでおり、我々仏教徒に似た穏やかさを持つ人が多い。但し、どこに行っても例外はあるが!バリ島には過去に四度行ったことがあるが、上記はバリアンという小さい村で1ヶ月間サーフィンをしていた時のことだ。当時のバリアン村は私の子供の頃を思い出すような田舎だったが、今では携帯電話もインターネットも敷設され、彼はオランダ人のビラに雇用されコックをしているとのことだ。私自身は年老い何もすることが無くなったら、バリアン村に住んでよろず屋を始めようと考えている。

追記:"閼伽"について2014/11/16

このエッセーを読んだ家内からクレームがあり、追記する。「恐らく多くの人は閼伽をアカと読めないだろう。」に異論ありだった!彼女の記憶によると高校の古文の教科書、源氏物語の"若紫の巻"に"閼伽棚"が出現した。だから古文で受験した人は知っているハズとのこと。実は私も古文で受験したが、落ちた!どおりで知らない訳だ!不明を恥じる。
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