EVシフト日本の選択
本当は今日にでも電気自動車(EV)を買いたいのですが、現在のところ2車種しかチョイスはなく、また少々お高い。私の場合、通常お買い物にしか使わないから、格安EVが出てくればすぐに買います!

追記:2017/9/28

いよいよ異業種からの参入が表明されました。今後の電気自動車が楽しみです。近所のスーパーまで自動運転で送迎してくれる車が出現しそうですね!

追記:2020/10/21

ダイソンの電気自動車撤退は残念です。

●EVシフト日本の選択 2017/9/19

今日の日経"オピニオン"の表題である。本田技研社長松本宜之氏、早大名誉教授大聖泰弘氏、ローランド・ベルガー日本法人社長長島聡氏の今後の電気自動車普及に関する意見が載せられており、じっくり読んだ。松本氏は、ホンダのEVシフト化に対する手立てに関し怠りないということだ。大聖氏と長島氏は、ドラスティックな変化は無く移行期間は長いとの見解。先端で物を作り販売している人と、大学教授やコンサルタントではそもそも持っている情報の量や質が異なることから意見に相違が出てくるのは当然である。勿論、誰が正しいかは十年二十年の時が証明する。

さて、大聖氏は普及の妨げとなる三つの課題を掲げており、蓄電池の性能、充電インフラ、車両コストである。この内、充電インフラの問題は無いだろう。なぜなら多くの場合自宅やマンションの駐車場で電気料金の安い(電力使用量の少ない)深夜に一晩かけてゆっくり充電するのが普通だろうから。勿論、遠出の場合の急速充電が問題だが東京大阪間を移動する場合は途中一度は充電が必要となるので電気自動車専用パーキングが拡充されるだろう。私の場合で言えば、上記レベルの移動は多くて年に数回だが、一般的にどうだろう?勿論、高速道路公団は電気の売り上げによる収益増を期待し、手ぐすねを引いて待っているに違いない。一方今後のガソリンスタンドの売り上げは減りこそすれ増えることは無い。

大聖氏が言う蓄電池の性能と車両コストだが、この二つの課題はつまるところ蓄電池のコスト問題に行き着く。つまり、蓄電池が高性能かつ安価になれば全て解決するからだ。電池の性能と価格の問題は恐らく現在主流のリチウムイオンを超える全く新しい物質の出現が鍵だろう。既知の改善改良ではいずれ行き詰まるからだ。ノーベル賞や一攫千金をねらう研究者と技術者は五万といて、新蓄電池を発明するセレンディピティが出てくるに違いなく、第二の青色ダイオードと言えよう。はてさて化学を専攻する人が増えるか?

この結果は10年後20年後に判明するが、私は意外と早期にはっきり現れると思っている。なぜなら電気自動車に用いられる半導体の進歩はこの10年極端(*)で、その企ては大電力化とロス削減に集中し、実際にロスを気にしなくていいレベルに達したからだ。技術系の雑誌を見ると、高校生にでも設計できるように様々なレベルの技術が惜しげもなく公開され、モーターや制御回路の設計は十年前に比べれば実に簡単になった。楽しみは増えるが、私の老いは着実に進む。嗚呼格安自動運転車の販売開始は何時か?
 *:少々専門的になるが、電力用トランジスタとして古くはガリウムヒ素系が主流だったが、ガリウム窒素系が現れその効率が一桁改善された。
元に戻る

追記:ダイソンの車作り 2017/9/28

今朝の日経企業総合面にダイソンが2020年までに電気自動車参入とある。例の床掃除マシーンの電池や機構部品などの要素技術を考えれば必然とも言えよう。むしろ既存の自動車関連技術以外のノウハウを持っているから面白い車が出現するかも知れない。既にボンドカーで有名なアストンマーチンの技術者を採用しており、20億ポンド(3千億円)を投入するそうだ。異業種からの参入はずっとささやかれてきたが、今後次から次へと出現しよう。自動車エンジン部品メーカーの衰退を憂う声もあるが、むしろ人材や製造ラインを持つ機構部品メーカーが自動車メーカーになるチャンスでもある。自動車勃興期のように雨後の筍なんてことがあるか?私も廃車からエンジンと燃料タンクを取り外し電気自動車に再生するビジネスがあるのではと何度か検討したことがある。今のところビジネス的には困難だが、電池の性能向上が全てを解決しよう。

追記:ダイソンの電気自動車撤退 2020/10/21

いささか旧聞になるが、ダイソンは2019年10月10日に電気自動車事業撤退を表明した。当時テレビでも報道され、書かなくてはと思いながら今日になった。巨額投資をした事業からの撤退は、想像しただけで背筋が寒くなる。ダイソンとは規模が異なるが私が起案し開発運用していた数億円の欠損をともなう事業撤退は退職(*)が脳裏をよぎった。上司や同僚のバックアップにより首にならずに済んだが、今でも当時のことを思いだす。
*:私の友人は20億の欠損で自殺した。東大修士の気さくな奴だった。

ダイソン氏のことだから、状況を踏まえて再度挑戦するだろう。恐らく今回の授業料で多くのことを学んだから再参入は楽だ。いずれにせよ、電池が極端に安くなれば、多くの参入が予想される。実に素人っぽい発言だが、エンジンを電気モータに、燃料タンクを電池に変えればいいのだから!勿論、電気電子工学を学んだ優秀なエンジニアは必需だ。私の眼の黒いうちにそのあたりを走る自動車はほぼ電気自動車になるだろうか?
元に戻る