平均律について(日経夕刊を読んで)

音楽は理論でなく、音を楽しむことだと思います。試験まで課せられていたことには今でも少々疑問を感じています。

●平均律について(日経夕刊を読んで) 2013/4/3

日経夕刊には「明日への話題」というコラムが第一面の最下段にあって、著名人が日を変えてエッセーを記載している。今日の夕刊には、元金融庁長官佐藤隆文氏が「純正律と平均律」という表題で記述していた。「西洋音楽で主和音は曲の調性を形づくる基本要素である。音階の第一・・・」とあり、平均律とは何かを記述しているのだが、恐らく読者の多くは理解できなかっただろう。後半の説明では、バッハの「平均律クラビア曲集」について述べているが、「バッハが和音の不順かつ微妙な混ざり合いを計算してこの曲を作った」との説明だが、これも理解できた人は音楽家のみだろう。ただし私のこの解釈は単なる私信であり、これに異論があってもここでは受け付けない。

実は、平均律については会社に入って数年目に同僚とスキーに行きビールを飲みながら音楽談義をしているときに初めて知った。元来は、中学か高校の音楽の時間に理解しておかなければならなかったのだろうが、いい加減な生徒だったので全く教えてもらった記憶がない!というか忘れたのだろう。そもそも周波数と音階との相関について教えてもらった覚えがないのだ!私の理解では、かなりシンプルな解釈になるが、ドの♯はレの♭に物理的に一致しないということだ。藤山君からそれを聞いた時の私には衝撃的なことで、民宿の畳部屋で皆で車座になりその説明をしつこく確認しながら聞いた。かなりビールを飲んでいたが、パッと目が覚めて真剣に説明を聞いてしまった。

その時には藤山君から和音のエンジニアリング的な説明、つまり共鳴やその数学的解析(*)などを聞いて、その日は大変興奮したことを覚えている。そのせいかどうだか次の日には、簡斜面で全く知らない人と衝突して骨折し、二ヶ月間も富士通病院のベッドで寝て暮らした。現在の音楽教育において芸大などでは数学的にきちんと教育するようで、少々お勉強したエンジニアといえども芸術家に数学で負かされることもあるようだ。ただし少々お勉強したエンジニアとは私レベルのことを指すので、真面目にお勉強された方は聞き流すべき。
 *: 大学1年の数学で習った”フーリェ級数とn次歪”の音楽的解釈で、実は原音とこの歪が音色を決めており、例えば弦楽器は弦の材質と共鳴板に強い影響を受けている。人の声の違いも、声帯やら喉や口の形などに依存する。ローランドやヤマハの技術陣は、この世界の専門家集団と言える。

さて、これを知ってからは、調弦をどこで妥協すべきか好みで決めれば良いことが分かってホッとした。なぜかというと、上記理由で元来定まらないものだったのだ。つまり基準点が物理的(周波数的)にきちんと合っていてもなんだかピタッとしない曲があるのだ。それはさておき、若い頃初めて買ったのはクラシクギター、次にエレキギター、それ以降ギターは数本、アンプも数台(うち自作1台)、キーボードも娘達のも含めて4台買ったが、音楽的な才能は開花しないまま還暦を過ぎてしまった(*)。残念!それでもまだ希望は捨ててなく酔っ払った時には演奏し、もし宝くじに当たったらグランドピアノを買おうと心に決めている。但し、確率論的に交通事故に遭うよりもはるかに当たりの少ない宝くじは、まだ買ってない!
 *: 実はバンジョーも29才の米国旅行の際に買い込んだ!このバンジョーを抱えてサンディエゴ郊外のエルカホーンにあった旧知のフランクの家に着いたら、"Shinji came  with orchestra!"と言って面白がっていたので良く覚えている。

最後に、電子楽器では比較的簡単に純正律と平均律を切り替えることができるはずだが、なぜかそのような製品は無い。資金的余裕ができれば、当社にて作りたい。技術的には簡単なので試作レベル(*)ならば二三ヶ月でできるだろう。
 *: 興味と資金のある方は、御投資をお待ちしております!500万円程度でお受けできると存じます。なお、その際に発生する特許の権利帰属は別途交渉項目となります。
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