イギリスの物価

住んでみなければ分からないことや、行ってみなければ分からないことは多々ありますが、それをビジネスにするにはさらに一つ二つ山を超えなければなりませんね。
イギリスの物価 2016/11/21

いくつかの理由からイギリス旅行を思い立ったが、まずは結論から書いておく。この類のものは時間が経つと感動も薄れがちだろうから。最初に感じたことはイギリスは豊かである。物価は安く、都会も田舎も街並みは整備されている。町なかに廃屋のようなものは無い。まれに牧場や森の中に廃屋があるが、まあ百年前の遺跡と言ってもおかしくない。さりとて、ロンドンなどの大都会のみならず長く滞在したニューキーでも乞食がいる。日本では考えられないが、キャッシュディスペンサーの真横に陣取って、紙コップを差し出している人もいる。失職したのでなく、働く気がなく乞食をやっている人や他国からの出稼ぎ乞食もいるのではないだろうか?20歳くらいの女性の乞食を見かけたが、胸が痛んだ。

イギリスの暮らしやすさだが、物価は日本の7掛けだと思う。特に、肉や牛乳は半額以下である。その理由は国土にあることを知った。イギリスには山らしき山がほとんど無い。イギリス全体が台地のようになっており、最も高い山でも600mくらいだそうだ。つまり、イギリスの田舎の殆どの土地は平たんで見たところゴルフ場のような感じで牧畜に適している。そういうことから何千年にも渡り牧畜が行われ、平らな土地の樹木は全て切られたようだ。我が国によくある手入れされた杉の森林のようなところは、今回の旅行では見ることができなかった。どこかにあるのかも知れないが。ただ、牧畜に適さない起伏の激しい河岸などは雑木林になっている。そういうところは自然公園のように管理され、殆どが一般に開放されている。

3週間程ニューキーの友人宅に居候したことから毎日のようにスーパーに買い出しに出かけ自炊した。多くの食料品は前述のように我が国の7掛けであるが、これはたまたまBrexitでポンドが安くなったこともあろう。つい一年ほど前に1ポンド190円だったのが、私が滞在していた10月には瞬間的に125円を切ったのである。だからと言って為替に応じてスーパーの売値を変えることはできず、商品によっては差損があるかも知れない。いずれにせよ125円で大量に品物を買い付け日本に輸出するようなことが出来ればボロ儲けとなるが、なかなかそのような商品は無い。もっとも根性と資金のある人はFXで儲けているだろうが。

今回の旅行はビジネスの種探しもあって、高級デバートからパウンドショップまで時間をかけて廻った。なお、パウンドショップだが、実際のポンドの価値から言えば、190円ショップとか125円ショップと言ってもおかしくない。つまり1ポンドで買える量と質が100円よりかなり多いのだ。そういうこともあり我が国の100円ショップと比べるとコーラだったら二缶とか、全ての品目で量が多かったり品質が良かったりする。最後に、サンプル商品としてパウンドショップで購入したものをお見せしよう。少々趣味に偏っているが!

 上段の右端はミニドライバセットだが、秋葉原では同等のものが500円で売っている。下段中は各種ボタン電池のセットだが、我が国の百円ショップでは2個セットや5個セットで売っている。これに対して、これは30個のセットである!下段右は自動車のヒューズセットである。容量によって色分けされた各々3個セットである。我が家の近くの自動車用品専門店では3個セットで240円だった。つまり、これ一式で240×6=1440円となる。いずれにしても、これが1ポンドだから脅威の価格設定である。いったい原価はどうなっているのだろうか?

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