イギリスの植生

初めてイギリスに来たので見ること聞くこと多くが新鮮で、感激することもありました。植物について少々気付いたことがあったので記載しました。

●イギリスの植生 2017/2/9

イギリス全体はほぼ平らな土地で、どこに行っても植生は同じと考えてよい。もちろんイギリスに行くまでそんなこと考えもしなかったが、やはり実際に行って初めて分かることが多々ある。同じ島国とは言え、我が国とは全く異なる。ふらふらと歩いていてふと目の前に我が家の庭にあるブラックベリーが垣根に生え、ヘデラ(和名ツタで、英語でアイビー)が公園などいたるところに生え、古い建物にもへばりついている。庭のある家庭には、しばしばリンゴの木が植えられている。ニュートンがリンゴの実が落ちるのを見て「万有引力の法則」を思いついたというが、本当にリンゴの木をそこここに見ることができる。つまり我が国の青森の気候に近いということだろう。



 典型的なイギリスの田舎だ。石垣に囲まれた3000平米ほどの牧草地がイギリス全土を覆っている。

実は、我が家の狭い庭にはヘデラとブラックベリーが繁茂している。数十年前この家に越してきたころ近くのホームセンターで買ったものが川崎の気候にマッチし生き残っている。ちょっと油断するとどんどん伸びて他の草花を侵食するので時々伐採しなければならない。なお今のところ最も繁茂しているのはアボカドである。時々台所ゴミを肥やし代わりに庭に埋めているが、その際に何十本も芽を出し、その一本だけを切らずに20年以上生やし続けた結果、幹の太さは20cmを楽に超している。ものの本によると幹が10cmを超すと花が咲き実がなるとのことだが、未だその兆候はない。やたらと葉が多く我が家の南の窓の光を遮るので、毎秋大量に伐採しているが、そのせいか?



 スコットランドからイングランドに入ったばかりで出会った廃城(内部拝見は有料!勿論、既にイギリス観光ベテランになっていた私は見なかった!)

ブラックベリーは英国では完全な雑草で、ちょっとした空き地や垣根、さらに海岸沿いの崖の上などにいやというほど自生している。なおブラックベリーという名前からしても分かるが、実を食べることができる。長く居候したニューキーの友人宅の近所の垣根の実をちょっとつまみ食いしてみたら我が家のものと同じ味だった。その味は野性っぽいスッパさがあり、トヨノカなどの我が国のイチゴには比べようもない。しかるに我が家では今のところ雑草扱いだが、せっかく買って植えたこともあり心情的に根絶やしにできないでいる。

ヘデラは英国では建物の壁面に這わせ"ツタのからまるチャペル"という使われ方のようだ。我が家のヘデラは何となく買って植えていたのだが、強靭な生命力があり、少々日陰だろうがひょろひょろと生えてくるし、もちろん日光の下ではどんどん生える。土地に栄養がなく、その地面を緑で覆いたいならばヘデラは最適である。川崎の真冬で雪が積もっても、葉は少々赤くなるが枯れることはない。むしろ寒さよりも乾燥に弱いように見える。もちろんあらゆる植物は水無くして生きることはできないが。



 スコットランドの山岳地帯を通過中の風景

上記の写真、一見きれいだが、芝の部分は羊や牛の糞で足の踏みどころもない!水は地質のせいかどうかは分からないが水面下は茶色く、水も薄く茶色に着色されたような色をしている。そのためかどうか、水中には魚の気配が無かった。イギリス全体として鉱物が豊かで産業革命にも大いに資することとなったと思うが、見るからに硬質な水だから飲料水としては少々問題があろう。米国でも似たような感覚を持ったことがあるが、このような光景を見ると、我が国の自然の豊かさ、水の豊かさを感じる。
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