ドイツは我が国を完全に凌駕した

無理無駄ムラを省けと会社では鍛えられましたが、政治にもそれが求められます。普段当然と思っていたことが、実は日本中に関所が作られ通行税を徴収されていたのです。
ドイツは我が国を完全に凌駕した 2019/10/21

今回の旅行で痛切に感じたことは、ドイツがはるか我が国の先を走っていることだ。表面的にも数値的にも我が国が後塵を拝していることは残念である。ドイツと我が国は第二次大戦において枢軸国側に立ち、負け戦で徹底的に破壊されゼロから出発した。私は戦後生まれで田舎に住んでいたが、子供の頃はまだまだ敗戦の影響が抜けてなかった。村祭りでは神社の門で白い着物の片腕や片足を失った傷痍軍人が物乞いをしていた。橋の下にはむしろで囲った部屋を作り住んでいる人が何人もいた。しかし、その後1990年頃までの発展は驚異的だったが、この二十数年労働者の収入は全く増えてない。むしろ増税などで実質減収である。Webで"平均年収国別ランキング"をサーチすると、我が国は18位で今や債務危機を抱えるイタリアにも追い越されてしまった。

その理由を考えてみたが、二年前にイギリスを旅行した際と同様の感覚に襲われた。ドイツやイギリスの経済活動が我が国に比して効率的に行われているのだ。もし皆さんが私のようにブラブラと各国を廻ってみれば、すぐに我が国固有の問題点に気づくだろう。なぜなら政策的な決め事は専門家でもその効果の分析は困難だが、私が感じたこれらの事柄は単に表層的なものだからだ。それを列記すると:

1.高速道路が無料
2.電柱が無い
3.廃墟が無い(街がきれい)

1.高速道路について
我が国の高速道路の料金所は早々に廃止すべきだ。経済活動を阻害するのみならずコスト増だからである。コストの要因は、料金回収経費、すなわち回収装置のコストや収受人員の人件費、はたまたそのコンピュータシステムや通信システムも含めれば莫大なものとなろう。暇を見つけて公開されているバランスシートなどから算定してみたい。ドイツやイギリスのように走行は無料化し、費用を自動車税から充填すればこれらが相殺され国家的な無駄削除となる。実際に一か月以上アウトバーンを走ってみてその利便性に納得した。田舎道からアレっと言う間に高速道路に入っているのだ。我が国のように料金所を作るための不自然に湾曲した道路がない。もちろん料金所渋滞もない。我が国の高速道路料金収受問題に誰も声を上げないので、私が"高速道路無料化党"を立ち上げたいと目論んでいる。
*:ヨーロッパ諸国はほぼ同等のようだ。道を間違えてオーストリアに入ってしまったが、コンビニなどで販売する1週間とか1月間の利用権ステッカーをフロントガラスに張付け、料金所はない。どおりで国境近くの車には沢山のステッカーが貼られていたわけだ!

2.電柱について
電柱(*)が交通や景観などに悪影響を与えていることは、それの無い先進諸国に行けば直ぐに分かる。電柱は物流コストに影響するのだ。ベンツの標準型大型トラックは我が国では事実上使えない。なぜなら背が高すぎてぼんやり運転していると電線や橋げたに引っかかるのだ。例えば我が国の大型トラックの全高は3m80cm以下と車検法で決まっており、世界標準仕様よりも低い。そういうことからドイツのアウトバーンでは背の高いトラックが走行車線を列になって走り、我が国の流通コストを凌駕している。勿論、ヨーロッパ中同規格のトラックが走り回れるようだ。
*:先の台風で電柱が倒れたり電線が切れたりし長時間停電したことから、電柱の問題が顕著になった。電線の地中化は先進諸国の状況を見れば必需であり、都市部などから早々に実施すべきである。

3.街並みについて
ドイツでは旧東ドイツ地域を含め小さい村も大きい町も教会を中心に集落が形成されている。どの村や町でも家々の壁は定期的に塗り直されているようで大変きれいである。また道路にゴミは無く、我が国同様にきれいだ。上記の3点は、表層的な事象だが、別途気づいた内面的な事柄もあり、いずれ記述したい。なお、私自身の個人的な事情だが、現在住む川崎市の住居以外に田舎に3軒のボロ家がある。経済的事情によりきちんとメンテナンスすることは不可能で、遅かれ早かれ屋根に穴が開き手を付けることもできなくなることは明らかだ。今のところそれに対する罰則は無く、支援もない。話は個人的な事情になったが、人口が急減する我が国の疲弊は待ったなしだ。
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